このシリーズもう絶対手に入らないと思って、近くの古本屋で3冊セット(朝日ソノラマのもの)8000円で買ってしまった。失敗した。 復刻で出てるのを知らなかった。別に読めればよかったのにわざわざ高い金を払ってしまった。買った当初は内容に大満足で高い金額を払ってよかったと思ったが、安い金額でこの内容ならもっと喜んだろう。ただそれだけの高値のつく作家の漫画であるということ、もちろんその面白さも比例しなければならない。でも今の若い人が読んで喜ぶものじゃない。コアな漫画ファンならわからないけど。ガロって聞いてわかる人ならお薦めです。
2005年に亡くなった作者の代表作の、カラーページの復刻や関連作品の収録を行った完全版である。作品自体は50年近く前に描かれたものにもかかわらず、青春という誰もが通過する時代を切り取った古典として、青臭さと痛みと気恥ずかしさを内包しつつ読み継がれていくであろう日本マンガの歴史に残る短編集である。作品自体とA5判という大きなサイズで出版された今回の企画は大変素晴らしい。残念なのは、作品の印刷がやや良くないことだ。数年前、別の出版社で全3巻で予定され2巻で中断?した同一企画の、出版社を変えての仕切りなおし刊行と思われるのだが、前回の刊行と見比べてみると、印刷の線が全体に太く、細部のつぶれや細かなタッチの消失が全体に及び鮮明さが損なわれている。前回の企画の際は、新たに発見された原稿と原稿紛失頁は印刷物からの復刻であったが、今回の刊行は原稿と初出の印刷物からの版起こしではなく、前回の刊行物からの製版のように思われる。(あくまで筆者の推測だが)作者の描線にこだわるならば、前回のふゅーじょんぷろだくと版の1,2巻に今回のジャイブ版の3巻をそろえるのも良いかもしれない。(本編部分の収録作品は両版とも共通である。ただし特別収録作品には違いがある)なお、装丁や造本に関しても、伊藤重夫氏によるふゅーじょんぷろだくと版の方が素晴らしい。
昭和の青春や、自分の夢に向かって生きていく5人組についてかかれていて、とてもよかった。
1960年代のコトは、全然知らないけどなんとなく、その時代の風景や、人々のきもちが、わかってよかったです。
嵐主演映画なので必ず映画館までいって、見に行きたいです。
下手な映画を観て帰り食事でもして。
でいくらかかると思います?
それに比べてこの「フーテン」は3000円以下で永遠の芸術を手に入れる事が出来る。
しかも何度でも味わえる。
こんな贅沢な事があるだろうか?
良質な娯楽は芸術と呼ぶ事にしている。
永島慎二のこの作品はそこまで昇華した永劫に残る価値ある芸術的遺産です。
永島慎二氏の作品は独特です。 私小説と虚構が織り交ざったようなエピソードと印象的なコマ割り。 抽象画のようなデフォルメされた絵。 文学の世界に太宰治がいるように、ストーリー漫画の世界に永島慎二がいます。 『フーテン』という言葉はもう死語になっているでしょうか。 『男はつらいよ』のフーテンの寅さんが一番有名ですが、フーテンの風俗・生態はこの『フーテン』が最も良く残してあると思います。 瘋癲(ふうてん)という精神疾患を示す言葉だったそうですが、この作品で描かれているような若者が1960年代新宿に現れます。 60年代、ここに描かれた若者は確かにいました。 退廃的であり、芸術的でもあり、無気力であり、平和であり、といった感じでしょうか。 仲間になったつもりはなくてもいつの間にか顔なじみな連中になっています。 時折こういう世界に憧れたワーカーホリックの中年男性が紛れ込んだりしていました。 今でも新宿に『フーテン』はいるのではないでしょうか。 同じような若者達は少しづつ行動形態が変わってゆき、時代時代でいろんな呼び方をされますね。 永島氏は1960年代の一場面を見事に切り取っています。 『フーテン』の発表の場は主に「COM」「ガロ」「プレイコミック」となっています。 「COM」や「ガロ」といった雑誌があって良かったと今更ながら思います。
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