1巻600ページ超、全4巻の大作である。日航に勤める主人公を中心に日航の闇の部分を描く社会派小説「沈まぬ太陽」でも彼女の取材の緻密さが感じられたが、おそらく「不毛地帯」は「沈まぬ太陽」が世に出るにあたり、その試金石的な役割を果たした小説なのだろう、同様の取材の緻密さが感じられた。この小説では、シベリアに11年間抑留された元日本陸軍参謀の主人公が帰国後商社マンとして第2の人生を歩んでいく姿を描いており、前半はシベリアでの強制労働、後半は砂漠の中での石油開発と2つの不毛地帯を舞台にしている。様々な不幸、困難を経験しながらそれぞれの不毛地帯に不屈の精神で立ち向かっていく主人公に知らず知らずのうちに感情移入してしまい、大作の割にはどんどん読み進めてしまう。お薦めの1冊である。
リアルタイムで夢中になったドラマです。BGMがすばらしいです。
ドラマを見てから、小説を読んだのですが、場所も大阪から東京、時代も変わっていたのに、小説の勢いというか小説が持っている空気感が同じなのが驚きです。上手に現代版にしたなあという感じ。
日本橋の老舗着物屋が舞台のため、みなさん着物を着られるんですけど、とても美しくてそれだけ見ているだけでもいいなあ〜と思いました。
視聴率=評価、となるのかもしれませんが。 当作品は、女性や子供のニーズがないから、数字が取れなかったとか、書かれていたのを見ましたが、それは思い込みに過ぎないと思いますね。全く…オンナコドモは、ナメられたもんですね。社会派ドラマだから、女性は観ない、子供は観ない、何てのは決めつけです。ちなみ小学生の時でしたよ、白い巨塔(田宮版)観たのは。女性だから、社会派のドラマや小説は読まない、女性視聴者には、イケメンをたくさん配役したドラマをテキトーに、あてがっとけばいい、そう言う事でしょうか?実力もないのにジャニタレだのその他大勢のイケメンだのばかりが主役クラスをとる、とかそんなご時世に、シブいバイプレイヤーにしか目がいかない女性だってたくさんいるんですがね。キャストについては、白い巨塔で、財前を演じた唐沢寿明が、今回もキャスティングされているが、その方が、実績も出したし、手堅いと言うことなのか…。別に、主役は、唐沢でなくてもよい、別の配役で、山崎豊子の世界を、表現、演じてみてもいいと思いましたが。
雄大にして繊細な音楽集です。
悠久の時の流れ、歴史の歩みの中では、ひとりひとりの人間の存在は砂粒のようなものに過ぎないが、歴史を作り、衝き動かすのもひとりひとりの人間。
歴史の中に人間が在るように、ひとりの人間の中にも、人間の数だけ歴史がある……
……ガラにもなくそんな事どもを考えさせられてしまいました。坂本龍一さんによるメインテーマM‐1『FUMOCHITAI』の生命力に満ちた拍動を受けて、菅野祐悟さんが力強く、船を漕ぎいだすように展開するM‐2『不毛地帯 ―生きて歴史の証人たれ』は圧巻。
重々しい曲だけではなく、M‐3『近畿商事』の躍動感や、ウィリアム・テル序曲を思い出させるM‐9『未知の世界』の鮮烈な出だしのホーンは、逆境でも希望を失わない人間の強靭さを謳い上げます。
唯一残念なのは、唐沢寿明さんが豪雪の収容所跡に背広姿で佇む印象的なEDで流れたトム・ウェイツ『Tom Traubert’s Blues』が、M‐16にフル収録されているのは嬉しいのですが、歌詞カードが無い…。毎週、話数を追うごとに物語とマッチしてきた名曲、やっぱり一緒に歌いたいじゃないですか(…歌うのかい!)。…この分だけ★ひとつ減、です。
17歳の時 50年近く前 突然この格言集に出会った。
私の人生の意味をみつけようとしていたころ出会った年上の女性が使用していた高校の教科書にそれはあった。
すぐに職員室に飛び込み現代国語の先生にその教科書が欲しいとお願いすると この格言集をおしえられた。
死せよ、成れよ! この一事を会得せざる限りは、汝は暗き地上の悲しき客に過ぎず。
あれから半世紀あまり このゲーテの言葉は常に私とともにありました。
ゲーテにはとても感謝しています、その女性にも。
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