「有機万歳、農薬野菜は悪」というような切り口ではなく、なぜ現在のような状態に
なってしまったかを、農業という仕事に触れたことのない私にもわかるように書いてくれて
いる。
戦後の化学肥料の利用量の増加がものすごいのだが、その背景には 国策としての
化学肥料の普及があった、そうだ。それも決して「農業の効率化」という理由からでは
なく恐るべき理由が書かれている。
化学物質についての説明は、数字や物質名が続き、門外漢の私にはわけがわからず
読み飛ばすページもあったが、ここは化学に明るい人からの「根拠は?」という疑問に
答えるために必要なものなのだろう。しかしちょっとそういったページが多いので
読み物としては☆ひとつマイナス。
欲を言えば、「本当に安全な有機」と「有機とは名ばかりの有機」についても書いてくれて
いたらよかった。
最近、食品偽装の問題がメディアを賑わしている。老舗料亭や伝統あるお土産屋、鰻の産地偽装など、市民の食を直接脅かすような事例が相次いでいる。
これらのニュースを配信しているのは、新聞、雑誌、テレビなどのメディアに他ならない。我々は、その報道を見たり聞いたりしながら、事件に対する自己判断を迫られている。だが、その報道に対するメディア側の姿勢を注意深く見てみると、そこに何らかのバイアスがかかっているのではないか、という疑問が出てくる。というのも、こうした記事は、記者という一個人が書いているというのが現実だからだ。例えば、万能の神が書いているというのであれば、問題は別だが…。
「危ない」という報道は、それなりに注目を集める。商業報道という範疇に縛られるメディア側としては、その頸木から逃れられるものではないことは、誰の目にも明らかだろう。
本書は、「危険報道」の裏側を、自ら報道に携わる新聞記者の視点から真摯に見直した、メディア批判の書でもある。著者は言う。「中国産餃子事件などは最たるもので、あれは何らかの混入があった問題で、中国産だからという理由は見当たらない。むしろ、中国産の冷凍食品は日本の発注会社が細部に至るまで衛生管理を徹底しているので、ある意味、国産以上に衛生面の信頼度は高い」。むしろ、日本の各地で行われている「産直」などという名目で、農家から直接仕入れて売っている農産物などは、果たして健全な農薬検査などを経ているのだろうか、と疑問を呈す。
突き詰めると、そこには「記者魂」という、甘い蜜がある。「特だね」という、記者にとっては最大の関心事が目の前に転がっていると、すぐに飛びつくというのが、記者の本性だ。1%の危険と99%の安心を同列に並べるという危険がそこにある。1%の危険は、その危険度は少ないにもかかわらず、大きな見出しになる。99%の安全は、記事にもならない。
こうした報道のメカニズムを、少しでも改善したいという気持ちが著者の訴えである。要するに、細切れの「危険報道」を鵜呑みにしてしまうと、個人的に正確な判断が出来なくなるとともに、国の政策をも誤りかねないということを認識しなければならない。
とにかく、読んでみれば「目から鱗」は間違いない。
(良い点)
浸透式のスタンプなので朱肉を必要としません。また、専用ケースが付属していて持ち運びしやすいです。スタンプを押した時の絵柄や英語のフレーズも見やすかったです。生徒の反応は上々でした。
(悪い点)
"very good"(たいへんよくできました)と "excellent"(すばらしい)のスタンプは意味(役割)が重複しているように思います。生徒のテストの点数に対応したスタンプを押そうと考えた時に、どちらをより高得点として位置付けるか迷いました。前者が例えば "good"(よくできました)なら五つ星でした。
|