という映画です。 ある家の所有権をめぐって、元の住人であるジェニファー・コネリーと 競売によってその家の新たな主となったイラン人一家が紡ぐドラマ…。
暴力的なシーンなどは許容範囲というか、ほとんどありませんが、 映画全体を静かな鬱屈感が覆っていて、鑑賞後は妙なカタルシスに陥ります。
どうしてそうなるのか?とても考えさせられる映画でもあります。 私としては、結末は自業自得というか…まぁ気の毒なのですが、 人を苦しめてはならないという戒めのようなメッセージを感じました。
ジェニファー・コネリーが人生に疲れて、いろいろと精神的に病んだ女性を好演。 父と兄の思い出がたくさんつまった我が家に執心する。 イラン人一家も、問題を抱えて難しい状況に置かれた人たちで、一見強欲に思えるが 亡命軍人である一家の主には彼なりの追い詰められた思いがあったのだろう。
あなたなら、この映画のような状況で、果たしてどの様に振る舞うだろうか?
ラストシーンは、残酷だけれども、どことなく詩的であり、美しくもある。 劇中のジェニファーが、翼をもがれた小鳥であったという事実を再確認した。 ジェニファーを支援する副保安官を含め「哀しくて弱い人間」がたくさん登場する。
事前情報ゼロでの観賞が正解です。
物語とともにジャンルが変遷するのが楽しめます。
友人から浮いている変人学生、「ペーパーチェイス」的【学園もの】か?
急に「007」風の【軍事サスペンス】に早変わり。面白い!
それが幻覚と現実、どちらが本当かわからなくなる【モダン・ホラー】に。
どう着地するつもり?
結局、「フォレスト・ガンプ」的【ヒューマンストーリー】として完結。
ふ〜重たい映画だった・・・って実話?!じゃ【伝記】じゃん!
DVDはNTSCかMULTI(ALL)のREGION FREEで助かりましたが正規のWBのリリース品でないのが残念でしたが。
ほぼ満足です。
この映画を初めて見たのは今から15年くらい前、父に勧められたのが切っ掛けです。今ではCGなんて当たり前かもしれませんが、当時の私には想像が映像になって、夢の世界が観れた喜びでいっぱいでした。もう一度見たいと思い、ずっと探していました。コネも使い、どんな小さなお店にも行きました。もちろん海外にも!これほど大好きな映画がありますか?ストーリーだけではなく、音楽も気に入っています。幼い頃、夢みてた世界が目の前に映像化されています。
”米国映画に新風、それがロン・ハワード・タッチ”。自分が最初にみた1985年の彼の作品「コクーン」のパンフレットにそんなことがかいてありました。人間に対するつねに暖かい視線と、独特の美しい映像センス。80〜90年代、ハワードは仲間のルーカス、あるいはスピルバーグに勝るとも劣らない映画製作者として、じっくりと実力をたくわえていったとおもいます。その後時空を経て、映画人ハワードの世界が円熟し、結晶化されたのがこの傑作とおもいます。2001年のアカデミー賞作品賞。。。
ひとりの天才的な学生が、精神分裂病による幻覚に悩まされつつも、学者・研究者となる。苦しみ、もがきながらも、妻の献身的な愛情、いや、人間としての友情に支えられながらこれを克服しつつ、大成してゆく姿。この夫婦を静かに描く、人間への信頼のものがたり。
この映画でとくに胸を打たれるのは、終盤、実在したこの夫婦についに祝福のときがくるシーン。そしてもうひとつ、ラスト近くの静かなる名場面。。。半生の思い出にみたされた母校のカフェに数十年ぶりに座る主人公。その彼のもとにおこる、観る者の心を静かにゆさぶるような、すばらしく美しいできごとを、ぜひ、ご覧いただきたいとおもいます。。。みたあとのヒトのこころを温かい身持ちで満たしてくれるような、秀逸なヒューマンドラマ。映画ファンならぜひ一度は見ておきたい、ハワード監督の、いやアメリカ映画の残した秀作のひとつとおもいます。
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