もし両親がゲイとレズビアンだったら
そんなこと考えもつかなかったです。
たしかに人を愛していても触れることができない感覚は
私には理解できますし、逆に体だけがつながっているという感覚・・・
これを知っていたけれど、本作でははっきりと描かれていて
私は言語かできてはいたけどやっとわかって、目からうろこでした。
結末も登場人物が、誰かのためにではなく、自分ガやりたいことを
大事にし、自分の選び取る人生に対して自信を持つという
重要さを示していたように思ったので
非常にいい終わり方だと思いました。
こんな作品がたくさん増えるといいのにと思わせてくれる
素敵な作品です、そんなわけで☆5つ。
女性同士の恋愛を中心に描いてきたやまじえびねが
新境地を開拓した長編と言える。
ゲイ男性に恋をした、美術史専攻の大学院生の女性が主人公。
性愛を超えた愛、性と暴力の問題がテーマになっているが、
作品全体は重くなりすぎず、やまじえびねらしく、洗練された
タッチで描かれている。
また、ストーリーはありきたりの展開ではなく、意外な方向へ
どんどん進んでいき、サスペンス小説を読むような面白さが
あった。ゲイ男性同士の愛と確執を描いた箇所は、ジャン・ジュネ
の小説のような妖しい魅力があって引き付けられた。
いつもながら登場人物がみな魅力的だ。主人公の女性は受動的で
弱すぎる気がするが、自分の弱さが自分と他人を傷つける、という
台詞にあるように、そういう自分を認識している知的な人間でもある。
装丁も美しいのでおすすめ。
前作「LOVE MY LIFE」以上に、主人公に魅力を感じました。 シンプルな線で描かれているのですが、その表情がとてもかわいく(フリフリのブラウスを着たお人形のようなかわいさではなく、大人の女性としての飾らないかわいさ感じました。)、また、主人公の彼女の考えることや行動は、恋愛の相手が男だろうが女だろうが関係なく共感できる事が多く、彼女が葛藤している様子をみて、いらいらしたり、彼女と一緒になって切なくなったり、苦しくなったりすることができる本でした。作品として楽しめるだけでなく、「大多数の人間と同じような価値観もてない(持たない)事柄に出会ったとき、自分だったらどうするのだろう?」などと、今までは考えもしなかった様々なことを考えました。
この手の題材の物では紹介できる作品
パパ役の方が作者さんで初めてというのもあって一部気になる点がありますが
全体的にうまく綺麗にまとまってていいと感じました
サブ役である主人公の友達のゲイ役が良いアクセントになってます
できればそちらの側面も、もう少し描写して欲しかったですね
短編集です。 表題作の「スウィート ラウ゛ィン ベイビー」はビアンカップルと知り合った女の子の切ないお話。他に最近の女性同士の恋愛というテーマの発見となったという1993年発表の「美雪」。この作品は今とはかなり絵柄が違ってて不思議な感じ。「恋にならない」はボーイッシュな女の子に恋してしまった女の子の切なさを。「言われなくても恋してる」は友達の元彼との夏休みの日々が描かれています。他5編収録。 やまじさんの作品は恋する気持ちがとても優しく、しっかりと描かれていて、好きです。切なくても、泣いても、恋することはやっぱりいいなあって思えます。絵柄もはっきりした線で、絶妙な仕草や素敵な服、表情、とても魅力的です。今回の短編集はビアン以外のお話も収録されていますが?ビアンに抵抗ある方は読むのを避けてしまうかもしれません。でも、恋する気持ちは一緒だということがわかるいい作品、おすすめです。
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