「WAKE UP EVERYBODY」 standard of 90’sシリーズ(紙ジャケット仕様)
'94発売、いわゆる『渋谷系』。世間ではDance系といわれる音に湧いていた頃、ひとつ先にはこんなグルーヴィでムーディな音楽があったのです。オシャレかっこいい曲ばかり、ギターがうねっていたり、パーカッションが印象的だったり、jazzyだったり。彼女のヴォーカルは夜に溶けていくかのように謎めいている。ポップでありソウルでもある、合わせてウェットな生の音は気持ちが良い。普段洋楽を聴くことが多い自分にも、かなり好きな音楽、あれから15年以上経った今という時代にも通用します。古いと思って切り捨てたらもったいないなぁ。
ICE
今ではもう15年前のアルバムになってしまうが、今聞き返してみてもリリースした中で、もっともクールで美しいものに仕上がってると思う。のちに「Moon Child」がスキー場などで聞こえてきたことがあったが、その当時からのICEファンの方には、ぜひ聞いてほしいです。セクシーな国岡ヴォイスを拝聴できますよ。
氷のなかの処女―修道士カドフェルシリーズ〈6〉 (光文社文庫)
1139年冬。女帝モードとスティーブン王との王位継承をめぐる争いは激しさを増してくる。ウスターのベネディクト修道院では、ある高貴な身分の姉弟を預かっていたが、女帝の軍勢に襲撃されたウスターから逃れ、シュルーズベリに向かう途中、付き添いの修道女と共に行方がわからなくなる。
一方、20マイル先のブロムフィールド小修道院に瀕死の男性が運び込まれた。修道士らしいその男性の治療に当たるため、カドフェルはブロムフィールドに赴く。その男性、エルヤス修道士は姉弟と行を共にしたらしいが、ケガの衝撃で記憶を失っていた。
エルヤスの容態が安定したため、捜索に出て弟イーヴを見つけたカドフェルは帰途、氷に閉ざされた小川に若い女性の死体があるのを発見する。
暗躍する夜盗団、オリーブ色の肌をした謎めいた若者……その中で、若い女性の死の真相に近づいては遠ざかるカドフェルとヒュー。
そして、事態は意外な展開を見せる。
修道士カドフェルシリーズ第6作。シリーズの特徴である心をいやしてくれるような温かさと同時に、映像的なイメージを鮮烈に刻みつける作品である。
うら若い娘の死がひたすら哀しく、氷のように心に突き刺さる。
オリーブ色の肌の若者がこれからのお話にどう絡んでくるのか、楽しみである。
ICE<劇場版> [DVD]
もはや一人の子どもも生まれない、絶望に溢れた世界に「彼女たち」の切なさが炸裂する!
『ドラゴンズ へヴン』以来の小林誠作品伝統の、開巻冒頭の一大戦闘シーンにはじまり、終末美学に満ちた荘厳な美術世界の中で展開する抒情と黙示録の世界は見る者を戦慄させる……
特典的には正直言って以前発売されていた全3巻OVAの方が誠監督の世界が全面に出ていて豪華でしたが、今回は価格比較で言ったら全然安いので、この作品初めて観る方はこちらで十分かも。絵的にも物語構成的にもグレードアップ。