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石本パリジェンヌもんちゃんの衝撃雑記帖

ここを友達に教える
おすすめベスト10!
1.さいたまスーパーアリーナ
2.アフリカ・バンバータ
3.森迫永依
4.ティモシー・B・シュミット
5.アクア
6.神尾葉子
7.Moon
8.ピーター・クリス
9.Nasum
10.カーディガン

東京命日 僕は他にも島田虎之介の漫画を読んだことがあるが、どの作品も読み終えてからそのまま2回目の読みに突入させられてしまう。物語が巧妙に練り上げられていて、その情報量は1回読んだだけでは処理仕切れない。しかし、それらは作者の自己満足の為に詰め込まれたような鬱陶しいものではない。作品の中を生きる登場人物達の人生を、俯瞰的な視点と語りすぎない自然な台詞を通して描く描写は、街に設置された幾つもの定点カメラの視点で見ている様で(僕はこれをcomic2.0と呼ぶことにした!)、多少の読み取りの困難を感じさせはするが、それ以上に、登場人物達の日常、つまりは彼らの人生の深淵を圧倒的に読み手の眼前に登場させるのだ。味わったことのない読後感は著者が漫画界に於ける希有な才能であることを物語っている。
長嶋有漫画化計画 芥川賞作家、長嶋有の小説15作品を15人の漫画家が漫画化するという企画本。
藤子不二雄Aが表紙を描いていてそこが手に取りにくかったですが、他漫画家へのオファーをする際に役に立った”藤子先生も参加の安心企画!”というのだからこれはこれで良かったのでしょう。

作家陣は大御所・萩尾望都から昨年デビューの新人オカヤイズミまでバラエティに富んでおり、雑誌のような幅広さがあります。贅沢な”アックス”みたいな感じでしょうか。ただ普通の雑誌であればそのバリエーションゆえに「どうでもいいマンガ」、「好みじゃないマンガ」が散見されるのですが、今回の企画についてはすべてマンガ原作者が同じであるのでここに一定のクオリティというか方向性というかテイストが明確に決まっています。これにより大変読みやすく、400頁を超える分厚いこの本を大変楽しく読むことができました。

また、全マンガ作品について原作解説、マンガ解説、漫画家紹介がしっかり書かれていて、コラボ裏話やこの漫画家初めて読んだけど他にはどんなの描いているのかな?といった読者が読後に感じるであろう興味の部分についても丁寧にフォローされています。長嶋さんの原作力、編集力、サービス精神は大変素晴らしいです。

大変満足度の高い作品でした。掲載漫画家の2-3人を知っている人なら、買って損することはまずないと思います。おすすめ。

地震と防災 糸魚川-静岡構造線 今まで手元にあった地震・火山関係の本十数冊は、すべてかなり以前に買った物だ。私自身が生まれ育ったところには大きな地震が多く、その故郷を出てくるまでに震度6を2回(その頃は震度5,6に強弱の区別がなかった)、震度5は数回経験していたからで、自然と興味が出て買い集めた結果だった。また、こちらに来てからは、大地震の発生確率が高い地域だと言うこともあり、それで買った本も数冊ある。しかしこの本は違う。東日本大震災を受けて、これから起きるであろういろいろな地震について学ぶために買った初めの1冊だ。

なぜこの本にしたか。それは、2011年2月18日現在で、糸魚川-静岡構造線断層帯に大きな地震が来る確率が、30年以内に14%という大きなものだったからだ。3月11日が訪れるまでは。現在では、日本列島にかかる歪みがあまりに大きく変化しすぎて、もう発生確率がどうなっているのか知ることはできない。それは、関係機関による再評価を待たねばならない。14%。低い数字に思えるかもしれない。これがプレート境界地震であれば、14%はものすごく低い確率だ。しかし、活断層地震では、14%はいつ来てもおかしくない高い確率となる。ちなみに、阪神・淡路大震災前の六甲・淡路島断層帯の地震の発生確率は、「30年以内で0.02〜8%」。そして起きたのが、あの大震災だった。

糸魚川-静岡構造線。文字通り、東日本と西日本を分けて走っている構造線。しかし、私は何度学んでも、その構造線と糸魚川-静岡活断層系、そしてフォッサマグナの区別がきちんとついていなかった。まるで別なものだと言うのに。でもこの本でやっときちんと理解した。フォッサマグナはいくつもの県を含む地帯であること、糸魚川-静岡構造線はその西縁にあたる。そして糸魚川-静岡活断層系は、構造線の周囲の弱い地質に沿ってどんどんできるたくさんの断層を含んだものを指すのだそうだ。

この本は、主に信州大学の先生方によって書かれている。皆さん、長年研究に携わってこられた方々だ。しかしこの本は、専門的でありながら、できうる限り私のような素人にもわかるように書かれている。断層や地質に関する図も豊富で、過去に起きた地震、地殻変動、災害に備えたまちづくりに至るまでしっかりと書かれている。この本は私にとって大切な1冊となった。

2011年8月3日追記。つい先日、実際に糸魚川-静岡構造線沿いを走り、糸魚川市のフォッサマグナミュージアムを訪れることができた。感動だった。

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