怪談実話系 書き下ろし怪談文芸競作集 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
京極夏彦氏の怪談はさすがだ!!!
「実話系」の定義の話等も面白いし、複数人の手記がひとつに繋がっていく様も良かった
まさに、構成力の勝利といった感じだ
岩井志麻子氏の怪談は怪談というより、単なる不気味なファンとのふれあいといった感じか???
このファン達がイッチャていてとても怖いのは、怖いのですが・・・
濃い人生を送っているな!
九十九怪談 第三夜
一話が2〜3頁程度・合計九十九話から成る実話怪談です。
(ただし,ナンバーが振られていない一話があり,これを含めると‘百物語’になります。)
木原氏の織りなす実話怪談は,もはや一つのジャンルを構成すると言っても過言ではないでしょう。
創作怪談でない分,採話・構成の力量が作品の質に大きく関わりますが,毎度,期待を裏切りません。
何気ない日常にほんの少しの亀裂が生じたかのように起こる,説明できないことがら。
体験してしまった当人の困惑。
説明のつかないもどかしさ。
そのような,何とも居心地の悪い感覚を読者に感じさせることが,逆説的ながら本書の最大の魅力といえると思います。
ただ,個人的な欲を言えば,著者の「あとがき」を読んでみたいです。執筆の最中に起こった怪異や後日譚なども知りたいというのが読者の偽らざる要望ではないかと思うのです。
本作には,不思議ではあるが怪異譚とまでは言えないものも少数ながら採用されており,これは評価が分かれるところだと思います。
また,「身の毛もよだつ恐怖譚」はほとんどないので,それを期待する方には向きません。
以上の意味で,星を4つと評価しました。
辛奇音劇シリーズ 木原浩勝の怪鬼宴「録音スタジオの怪」&「旅館の怪」 〈同時購入特典付き〉
木原さんの怪談が好きなので買いました!
怪談好きなのでこういうのはもっと出て欲しいですね。
他にも怪談のCDはありますが、声優さんが演じてくれるというのは新鮮でちゃんと怖がることができました。
ヘッドフォン推奨らしいですが、夜聞く場合は私は怖くてつけれません(笑)
マイナスの星は特典CDの木原さんの主張に賛同できなかったからです(笑)
本編はちゃんと星5です!
怪談新耳袋殴り込み!劇場版<関東編> [DVD]
監督が豊島圭介から交代したと聞いて些か不安だったが、全体的には編集・内容共に今までのシリーズから大幅にずれたことはやっていない。それどころか、今まで半ば意図的に造られていたであろうグダグダ感が若干薄まり、割合構成がかっちりしていて、本編の見やすさでいえば豊島版よりも良いとさえ思える。
ギンティ小林は相変わらず絶好調だし、市川力夫君も今作では復活を果たし、他の人たちもバランス良く活躍している。
収録されている心霊現象はなかなかのもの。特に地下トイレの声は背筋が寒くなった。但し、過去シリーズの「八甲田山」「山の牧場」「Iトンネル」のような大ネタがやや不発気味で、知りすぼみ感は若干感じられる。
今回の「挑発」は豊島圭介の発案とはまた微妙に違った方向性が感じられ、新鮮さがある。裏で遊んでいる人たちの様子もかなり少なくなり、ある意味一作目に近い、現場に寄り添った作品になっていると思う(もちろん思い切りふざけているのだけど)。
とはいえ、どこかを立てればどこかが立たなくなるのがシリーズ物の常。4作目にして、豊島圭介が作り上げてきた「殴り込み」らしさのおふざけ感と、村上賢司監督の作りが、やはり違ってしまうのがどうしても気になる。豊島版は「手の込んだ肝試し」であり、それが視聴者との近さになっていた。村上版はどこか「作品」然としており、「ロケ」としてのカラーが強い。
豊島圭介は言ってしまえば「中学生」なのだが、村上賢司は「大学生」ぐらいの開きがあり、どうしてもまとめる方向に行ってしまいがちで、それが良い方向に働いてもいるのだが。
そして、こればっかりはしょうがないことなのだが、村上賢司は少なくとも出演者としては正直あまり良い機能を果たしていない。
間違いなく出演者としては豊島圭介の方が優秀で、さらに既に「出来上がった」ものがあるだけに、やはり豊島版が見たい、というのが一視聴者としては正直な所。三年やってきたシリーズの途中交代という厳しい状態の中で、村上監督はベストの仕事をしているのだが…。豊島圭介に戻ってきてほしいと思うファンの気持ちはいたしかたない。
「怖さ」「構成」を造り込めば「学生の悪ふざけ感」「肝試しムード」が減ってしまう。この悩ましいバランス。シリーズを重ねてきたからこそ、すべての人を満足させるのはどんどん難しくなる。前作だって、「それはさすがに心霊関係ないんじゃない?」という挑発があった。
だからこそ、毎年この出演者達にバカをやってほしい。悪ふざけ上等。マンネリ上等。何年だってこの馬鹿げた宴を、夏がくるたびに繰り広げてほしい。
他の心霊ドキュメンタリーシリーズには絶対に出せない魅力がこの作品には間違いなくある。
ちなみに、毎年楽しみにしているコメンタリーは、今回はちょっと人数が多すぎてよくない。トーク自体は盛り上がっていて楽しい瞬間も多いし、バランスよく裏話が出来る瞬間もあるのだが、全体的に悪のりが強くてとっちらかっている印象。まぁ今回は劇場版というお祭り感もあるので構わないが、来年以降は元の「ギンティ×チャントヨ」コンビのコメンタリー復活を願う。