こんな夜更けにバナナかよ
ある意味、未整理な本だと思う。著者の最初の関心は、「イマドキの若い子が何故ボランティアなんてものに精を出すのだろうか」といったあたりにあったのだと思う。しかし、取材を重ね鹿野さんの強烈な「ワガママさ」を目の当たりにするにつれて、「何故彼はこんなにもワガママなのだろうか」という疑問が著者の心に湧いてくる。やがて著者は「人が人を支えるとはどういうことなのだろうか」という、人間関係において最も本質的な問いに向き合わざるを得なくなってしまう。こういった著者自身の様々な自問自答が本書の中に完全には整理されていないかたちで同居していると思う。しかし、私はそこに等身大の著者の姿を感じたし、だからこそドキュメンタリーとして本書が高く評価されたのだと思う。
私が最も考え込まざるを得なかったのは、「人は他人に迷惑をかけることを避けるべきなのだろうか」という問題である。鹿野さんは「もの申す人」で一般的には「ワガママな患者」ということになるが、彼にとって唯一できることは「他人に迷惑をかける」ことだけである(「自力で実現できないことを他者に実現してもらうよう依頼する」ことを「他人に迷惑をかける」と表現するならば)。彼と、彼に「迷惑」をかけられるボランティアの関係においては、「他人に迷惑をかける」ということの本質が顕在化せざるを得ない。そこに、人間関係の本質について自ら考えなければならないところに読者を追い込む本書の面白さがある。
人は主体的に生きたいと思ってもよいのか、主体的に生きることが他人の迷惑になる場合それを制限すべきなのか、他人に迷惑をかけてよいのは他人に迷惑をかけざるを得ない人に限られるのか、人は他人に迷惑をかけずに生きていけるのか、そもそも他人に迷惑をかけるとはどういうことをいうのか。そういう問題を読者に考えずにはいられなくさせる何かが本書にはあると思う。
脳から血~でるほど考えろ!!
人生やビジネスの本質を自分の体験から語ろうと試みる本だと思われるが、すごく上から目線なので驚いた。その考え方が息子に受け継がれているというのもびっくり。息子が25歳にして今後の日本について言及しているところなど僕には別世界のことに思えるけれど、このような若い人はもしかしたら結構いるのかもしれないとも思った。そしてこの親子の言う事や、それに限らず色々な物事に対して「上から目線だ」(立場のちがう人から押し付けられる)とか「別世界だ」(僕とは関係ない)など、他人事のようにしか捕らえない人は成長しないということを言いたいのかも。と思った。
風歩
本の内容が、フィクションではなく
自叙伝であることが衝撃的でした。
文体にやや稚拙さを感じるところはありますが
むしろ、それが作者に対しての親しみを高めているようにも思えます。
派手な修辞がないことが、気の置けない友人の告白のようで
リアルさを一層強めているようにも感じられます。
本作に書かれていることがが現実であること、
それがこの作品の最大の強みだと思います。
私は、習慣的に聴いているラジオブックスで初めて彼女の存在を知りました。
もっともっとたくさんの人にこの本を知ってもらいたいと思う作品です。
筋ジストロフィー―いま筋ジストロフィー患者の生活と治療を見直す (ザ・ファクト (No.2))
アメリカの例が多いものの、日本人としても
参考になる。病理の説明、治療への研究など
やや難しいものがあるものの、
もし筋ジスに関係しているのなら
一度読んでおくとよいだろう。
感じてわかる! セラピストのための解剖生理 カラダの見かた、読みかた、触りかた
書いてあることは大切なことながら、学校で基本的には学べることでは?という印象がありました。むしろこの本の知識を知らないで施術にあたっている方がいるのでしたら、ちょっとまずいのでは?というかんじです。
新知識という意味ではあまり参考にはなりませんでした。