Pi: A Source Book
'紀元前2000年頃といわれる古代エジプトの「リンドのパピルス」による、円の面積は直径からその1/9を減じた長さの2乗〜すなわちπ=256/81=3.16049〜から、1997年のBAILEYらの16進数によるπの小数点以下任意の桁を計算できる式まで、πにまつわる古今東西の有名論文を集めた書。π好きなら、歴史は知っているだろうが元の論文を読んだ人はごく少数だろう。それら元論文がまとめて読める、π好きには堪らない、まさに"SOURCE BOOK"。
持っていれば、「ああ、ヴィエタね。あれなら原論文を読んだよ」と自慢できるかもしれないw。英語だけでなく、ラテン語、ドイツ語、フランス語などの論文も多いので、実際に読むのは大変だが、数学の論文は数学の知識があれば何となく読めるし、読まずに見るだけでも楽しい。
残念なのは、たぶん元の論文がそうなのだろうが、文字が不鮮明で読みにくいものもあること。これは歴史ものだからしょうがないとあきらめるべきか。
とにかく、このような論文が70本、さらにカプランスキーの"A Song about Pi"や、ルドルフの墓石の写真なども参考資料として載っているこの本。π好きなら本棚の隅にそっと置いておきたいものだ。