ダーティ・ダンシング コレクターズ・エディション (初回限定生産) [DVD]
まずこの映画、公開当初は全くの不入りで、宣伝の割には当たりませんでした。対象をミドル・エイジにしたのが失敗したんです。
これが注目されるのはTVで放映され、パトリック・スウェージが「ゴースト」に主演してから風向きが変わり、この映画も評価され、めでたくいい映画の仲間入り。
序盤からのパトリックのダンスは本当に素敵です。元バレエダンサーで奥様とのなれそめもダンスだったという、筋金入りのダンスは眼を奪われます。どちらかというと、スタンダードなダンスでしょうね。ラテンダンスのようなノリノリではなくて。
相手役のベイビー役の女の子はこの後、映画ではあまり見かけなくなりますが、恋にあこがれる少女から恋をして大人の女性に変わっていく役どころを、見事に演じています。
ストーリーは60年代が舞台のため、やや古臭い考えの大人たちが結構出てきますが、ダンスシーンは本当に上手く撮れているので、これを観てダンサーになりたいと思ったかたも多いでしょう。
パトリックは前出の「ゴースト」の後、性格俳優の方に路線を切り替えていくので、この映画のように踊るシーンは演じなくなっていきます。その分この映画はとても貴重です。
しかし2010年の9月、パトリックは末期ガンのため永眠してしまい、もう彼の新しい作品は観ることはできません。それでも彼の残したこの作品は今でも色あせていませんので、ぜひご覧になってほしいです。
ありがとうパトリック。合掌。
蛇足
脇役にリチャード・マークスの奥さんになった、シンシア・ローズもいて、パトリックのすばらしいリードで踊っていますよ。
Live at Leeds -Deluxe Edition
ポップでキャッチーなメロディの楽曲、ポジションが逆転したようなギターとベース、メロウなものからハードなものまで見事に歌いあげるパワフルなヴォーカル、キースのハチャメチャなドラム等等、THE WHOの魅力というより、ロックのかっこよさ、楽しさが一杯詰まった素晴らしいアルバムです。作り込まれ、コンパクトなスタジオ盤も良いのですが、オーバーダビングのないギター、ベース、ドラムのみのシンプルな編成で聴かせる楽曲群は生々しくてとてもスリリング。そしてメンバーの個性がモロに出て何度聴いても背筋がゾクゾクします。それにしてもエントウィッスルのベースサウンドは素晴らしいです。ギターより歪んでるし、音はでかいし、いうことありません。
Tommy
「セルアウト」の次にリリースされたTHE WHOの余りにも有名な作品、このアルバムをはじめて聞いたときは「何か暗いアルバムだなあ」といった感じで、なぜこの作品がアメリカで売れたんだと否定的な考えが頭に浮かび、好きになれなかったが、車を運転しながら聞きこむうちにすごく好きになった。このアルバムはヒット曲だけをピックアップしながら聴くよりもアルバム一枚を通して聞いた方が良さが見えてくるアルバムだと思う。「オーバーチュア」の悲しげで力強いオープニングからラストの「シーミー」までの流れに一貫性があり、実に丁寧に計算された作品だということがわかる。個人的なベストトラックは、「シーミー」やロジャーがささやくように歌う「ウエルカム」、そして「センセーション」あたりだと思う。2枚組でこんな陰鬱なアルバムがなぜ陽気なアメリカ人に受け入れられたのか不思議だ。60年代後半のベトナム戦争的な暗い世相が影響していたのだろうか、その後WHOは「ネクスト」をリリースしこの作品を含めて絶頂期を迎えることになる。
ザ・フー/ライヴ・フロム・トロント [DVD]
数十本と現存するlive映像作品中、断トツ一番に君臨するピートのハイジャンプパフォーマンス映像作品である。カメラがまぁ良くついてきてる!アングルも良く完璧に近い。本人も最後とばかし、これでもかと言わんばかりによく飛ぶ!(笑)。それだけの意味で買いであろう。
Who's Next
今さらではあるが、この歴史的な名作の価値は、今でも全く色褪せていない。
もともと、「トミー」に続く「ライフハウス」のサントラとして企画されたが、映画「ライフハウス」の制作が頓挫し、サントラのみがこの作品に生まれ変わったもの。
この時期のフー、とりわけ、ほとんどの曲を作ったピートの絶好調振りは尋常ではない。「ババ・オライリー」「バーゲン」「ビハインド・ブルー・アイズ」「ウォント・ゲット・フールド・アゲイン」を始め、本当に全ての曲が名曲揃いで、ピート作以外の唯一の曲であるジョンの「マイ・ワイフ」もジョンの代表作(歌詞が面白い)。
また、「ライフハウス」用に作られたが、当時、はずされた曲も収録されているが、「ピュア・アンド・イージー」等々、アルバム収録曲に遜色ない曲も多い。
ロック好きで、この作品を聞いたことがないという人も少ないだろうが、もし聞いていないのなら、この作品に出会う幸せをこれから味わえる幸せな人です。