高杉晋作(下) (講談社文庫)
司馬遼太郎の歴史小説を読んだり大河ドラマを見ても、高杉晋作という人物がどうしてすごいのかは、なかなか理解ができなかった。この本は15年ほど前に一度読んでいたが、どうも高杉晋作とは何者なのかがしっくりしないので、もう一度読み返してみた。確かに長州藩を復活させて、薩長同盟が政治的に意味のあるものにした力としては、高杉晋作の統率力、行動力、一途さは必要だったと確認できた。奇兵隊が階級社会を否定する民衆の軍隊で、それが数で勝る幕府軍を負かした史実は喝采すべきものがある。それでも長州藩に閉じた高杉晋作の生き様は、現代の視点で読むと、物足りなさを感じる。この本は、高杉晋作を描く以上、そのような限界があるのは仕方ないが、著者が高杉晋作を他の志士たちよりも英雄のように描こうとすればするほど、違和感も感じてしまうのである。
高杉晋作(上) (講談社文庫)
福沢諭吉が100人いても、坂本龍馬が1000人いても明治維新はなかったと言い切っている。
それは正しい
この上巻は、そんな高杉の上海渡航以〜四国艦隊との調停までを描いている。
激流の幕末において高杉の行動と思想、そして歴史的事件が
次々に起こり、その背景の説明にも説得力があり、
読む事を飽きさせない。
高杉のおいしい時代のみに焦点を絞って書いているので一気に楽しく読める。
しかし以下の点で−2★の評価となりました。
'@高杉晋作像が「世に棲む日日」を基にしており、それをかなり意識した内容となっている点
'A久坂玄瑞や桂小五郎に関しての部分が少なすぎる点
'B話が上海から始まり、また松蔭時代に戻るなど、少し読み辛い点
上海渡航以前の高杉をもう少し詳しく書いて欲しい
'C上海渡航以降からがメインの為にいきなり倒幕思想となっている点
高杉の行動も結果論的な解釈となっている箇所あり
まあそれでも高杉晋作の本としては「世に棲む日日」より100倍良い
最後の忠臣蔵 [DVD]
上川さんと香川さんにハズレ無し、でした。盟友であった二人が、それぞれ密命を受け、別々の運命を辿り再会した時、その真実が語られます。「何故自分が…」という問いに、思わず同情してしまいました。
遁(に)げろ家康 (下) (朝日文庫)
家康の生涯を描いた作品は極めて少ないが、本作品は簡潔にまとめてある。やはり山岡荘八作品には及ばない。確かに家康の人生は遁げに終始していた。それが長い時間をかけた天下取りに結びついているといえる。家康のつぶやきが現代風の口調になっているところが多少気にかかるがやむを得ない。歴史小説268作品目の感想。2010/07/10
天下騒乱 徳川三代の陰謀 [DVD]
放映前の年末、渋谷駅のホームに貼ってあったポスターを見て思わず写メ‥大好きな村上さんが、剣豪・荒木又右衛門を演じる!という事で、久しぶりに意気込んで観たお正月時代劇でした。
実在人物が登場する時代劇は配役が成否のひとつの要だと思うのですが、村上さんの荒木又右衛門は本当にハマり役で、今度はPHP文庫から出ている黒部亨原作の荒木又右衛門も演じてくれたら‥と思うほど。
様々な徳川家系の役を演じてきて貫禄の西田敏行さんも良かったし、槍の名手・桜井半兵衛役が榎木孝明さんなのも良かったです。
話も長時間の中で飽きさせず纏めてあったので、なかなか楽しく見終わる事が出来ました。
残念だったのは中村獅童さんの柳生十兵衛役‥十兵衛役は前年村上さんが金曜時代劇で演じていて、すごくかっこよかったので、どうしても比べてしまって獅童さんでは物足りなさを感じてしまいます。でも、今の芸能界に剣豪を村上さん以上にかっこよく演じられる役者さんがいないから仕方がないのでしょうね‥。
ということで、村上さんファンにはぜひおすすめの時代劇です。