聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実- [DVD]
役所広司さん演じる山本五十六海軍次官と連合艦隊指令長官。
新聞記者や、陸軍、海軍とのやりとりが面白い。
戦争による国威発揚。ドイツの主張を記した文献(原典)と、
意図的に改ざんされている翻訳書。
血気にはやる若手など、時代の雰囲気がなんとなく伝わる。
玉木さん演じる新聞記者とのやりとりで、情報戦をきりぬけるには
自らの目と耳とハートをしっかりと使うべきことを示す。
山本長官が米国に通じており、ガチンコで米国と長期戦などすれば、
完全に粉砕される力量の差を周知していた一人であることは、
皆さんも御承知のことだと思う。
そんななかで開戦、転進、そしてブーゲンビル島の海軍甲事件
へとつながる。
日本が、戦況有利な状況化で、外交的に停戦できたか否かは、
歴史のifであるが、外交や戦争に極めて重要な情報は、
解読されうるし、有利にも不利にも使われることがある。
かなりの名俳優を揃えたが、地味目の作品に仕上げたようだ。
今の日本は、さきの大戦の歴史に続くもの。
自国の領土、国民、財産、権益は、守らなければ、もっていかれる。
そんなことを考えさせてくれた、味のある作品。
START(初回限定盤)(DVD付)
玉ちゃんのハードロック好きはファンの間では周知のことですが、私のロック歴は「クイーン」で終わっていましたので、正直ついていけるか心配でした。
・・・が1曲目のイントロを聴いて「うわっすごい、こういうのやるんだー。いいじゃん!」でした。
最初の2曲はとにかくいいです。玉ちゃんの声とアレンジがあってて引き込まれます。
これまでのアルバムとは180度違う音楽がそこにありました。
女性コーラスあり、テクノあり、弦楽器ありと音楽的な冒険をいろいろやってて、おもしろいです。
どの曲も「そうくるんだ!」と聴きながら毎回新しい発見をしています。
玉ちゃん作詞の歌詞までまだ聴きこめていませんが、とりあえず第一印象をみなさんにお伝えしたくて書き込んでいます。
毎日車で遠距離通勤をしている私ですが、このアルバムを聴きながら運転しているとすごくテンションあがって「今日も一日がんばろー」という気持ちになります。
ライブまでしっかり聴きこんで会場で盛り上がりたいと思います。
玉ちゃんファンでない人も一度聴いたら玉木くんのイメージかわりますよー。
沢山の人に聴いてもらいたいです。
砂の器〈上〉 (新潮文庫)
野村版映画は傑作だった。
あのラスト30分で、涙しないものはいない。
故丹波哲郎の熱演もみごとだった。
本原作は、どうしてもその映画版と比較される運命にある。
だから、映画版の出来がすばらしかった分、原作の評価が低くなることがしばしばだ。
しかし、本作は、映画とは別物である。
文庫で上下巻、全集では一巻まるまるが本作だったほど、長い作品だ。
その中身は、映画ではカットされて描写されなかったエピソードや、微妙な心理描写などで詰まっている。
連載作品の常で、途中だれるところがあるし、冗長な記述がしばしば見られるなど、不満な点をあげればそれなりにある。
結構緊張感が続かないところなど、最たるものである。
だが、本作の内包するテーマはとても大きい。
差別意識というものは、現代でもなくならない。
いや、むしろ今のほうが、仲間意識が強く、他者を排除しようとするエントロピーは強いのではないだろうか。
そういう意味では、普遍的なテーマを持つ作品といえるだろう。
清張作品、特に長編は、竜頭蛇尾だとよく指摘される。
本作も確かにその傾向はある。
しかし、こんなに大きなテーマをこれだけ徹底したエンタティメントにする能力には脱帽だ。
そしてこのテーマには、まさにこの長さが必要だったのである。
二組の親子関係の崩壊、という、ある意味エディプス・コンプレックスともいえる裏テーマ。
清張ははたして意識していたのだろうか?
のだめカンタービレ 最終楽章 後編 スペシャル・エディション [DVD]
何より音楽が映像化されていてとても楽しめます。
音楽が好きになる、それだけでも得難い映画だと思います。
コミックでは何しろ音は出ませんから。
そして、コミックでは可愛すぎる<のだめ>が実写版では、ダークで重い<のだめ>になっていて、原作以上の出来です。
何となくすっきりしないのは、原作がそうなので仕方ありませんが、<のだめ>にとっての音楽の意味が明示されていないからです。
<のだめ>がピアノを弾くのは千秋に認められたいからです。勿論、他の人もそうです。ヨーロッパ編になって、音楽は人に認められる手段と化しました。音楽する喜びではなく、成功するための手段になったのです。
<のだめ>以外の人は簡単です。コンクールで優勝すればいいのです。
でも、<のだめ>はいくら良い演奏をしても、千秋はまたすぐ一歩先に行って、<ここまでおいで>というのです。<のだめ>は疲れ果て、それがダークな<のだめ>になっているのです。
すぐそこにいるのに、永遠に到達しない。
<のだめ>の生き甲斐は千秋に認められること、千秋の演奏の一部になること、でも千秋は容易にそれを許してくれないのです。そして<のだめ>は絶望しました。
<のだめ>はラベルの協奏曲を別の人とやることになった千秋を恨み、シュトレーゼマンの誘いにのってしまいます。このときのエネルギーは千秋への恨みのエネルギーで、ここでも実写版では屈折した感情がよく表現されていました。
<のだめ>が大成功の後絶望したのは、自分こそ千秋を裏切ったと感じているからなのです。
千秋の為に音楽をしてきた<のだめ>はもう千秋を裏切った以上、音楽を続けられなくなります。
でも、千秋が音楽家である以上、千秋との最高の結びつきは、千秋とともに音楽を奏でることであるはずです。千秋に認められるためではなく、千秋とともに生きる為に音楽があるです。
残念なのは、そういった音楽のもつ意味、……屈折した感情や、人を愛する喜びを表現する手段であること、また人ともに生きる手段になること、そして人々と感動をともにする喜びを感じる手段であること、それが明確に意識されていないことです。
本来はラストの場面の連弾で、<のだめ>(と千秋)にとって音楽の持つ意味を明示すべきだったのです。
原作がすっきりとしないからこそ、そして、<のだめ>のダークな部分を表現し得たからこそ、原作では十分表現しえていなかった構図や意味を明示してほしかったと思います。
ローグギャラクシー 公式設定資料集 (ファミ通の攻略本)
巻末に、スペシャル座談会として、レベルファイブの重鎮5人(日野晃博・赤坂泰洋・真島猛・楠田芳晃・西浦智仁)のインタビューが載っています。レベルファイブ・ローグギャラクシー・日野っちファンなら普通に「買い」でしょう。彼らの砕けた本音トークが見れますから。