地を這う魚 ひでおの青春日記 (角川文庫 あ 9-3)
もうマンガというのはノスタルジックな世界になっているのかもしれなくって、谷口ジローさんの『冬の公園』なんかは、マンガ創世記をこれでもかというほどリリックに描いてるけど、吾妻さんは、逆にこれでもか、というほど、デフォルメしている。
寝るところが山手の線だったり、フロ入っていなかったり、話はリアルなんですが、絵で感傷を排するところが素晴らしい。
ガチバン [DVD]
見所ゎ窪塚俊介の演技です。ものすごい上手いです。
性に悩む思春期のモジモジ感だとかイライラ感が良く出ていたと思う☆
っていうか結構壊れていた部分もあって面白かった(笑)本人も開き直って演技してたのかな・・・?
乱闘や喧嘩のシーンも迫力がありました。それだけじゃなく、「青春コメディ」っていう言葉が当てはまるくらい他の要素も面白い!
逃亡日記
著者自らが「しがらみで出さざるを得なかった便乗本」と身も蓋もないことを宣言してしまっている。たしかに、内容も「うつうつひでお日記」はまだしも「失踪日記」を読んでいなければ訳が分らないだろうし…。だが、この2作を読んだ人は、この「便乗本」を手に取ったほうが良いのでは。
失踪日記には描かれていなかったエピソードがインタビュー形式で語られているのだが、これが非常に痛い、淡々と語っているのが逆にリアルで痛い。実際に失踪していたある時期のエピソードは描くのが苦しく、漫画には描かれることもなかったという。
そういったことはあるにせよ、結果的に、このインタビューを読んで、「失踪日記」が、描くべき事柄が吟味された『漫画として』非常に優れた作品だということに改めて気付かされた。
便乗本の域を超えた便乗本といえる。でも、さすがにこれ以上はないだろうなぁ。
インタビューの冒頭で著者が「取材旅行です(笑)。失踪もアル中も漫画に描けば結果取材だし」と語っている。なんか、物凄い名言のような気がする。
人生を劇的に変える東国原式勉強法
やや薄めの本で文章量も少なめですが、内容は濃いです。
勉強する理由とは”生きていく上で壁にぶち当たったり、挫折したりどん底を味わったりしたときに、自分を助けてくれる”ためにするものなんだそうです。
この目的の部分が、数多くある勉強法の本とは違っています。
また、社会人の勉強の場合は、資格を取るためであったり、教養を深めるためであったりしますが、著者はあえて学問(主に学校で教わる内容)を学ぶことをすすめています。人生の幅を広げてくれるのだそうです。
また、”学ぶということは、自分を見つめ直すということと共に、生きていることを実感することである”と語っています。
「学び」=「生き甲斐」となるようです。
具体的な勉強方法も書かれていて、ノートの活用方法については詳細に紹介されています。実際に著者が書いたノートも写真で載っています。この方法は、早速自分も真似ようと思いました。
また、”資料はA4にまとめる”という方法とその理由も書かれていて、これもとても参考になりました。他にも、自分マニフェストを作る・論理的に考える習慣をつける方法・新聞リーディング・読書術・テレビについて・パソコンについて・口コミ情報の取り出し方などが書かれていています。
趣味であるマラソンについても書かれていて、知事にとって、勉強とランニングが大きな軸になっているとのことです。共にゴールへの近道はなく、努力した分だけ力になる点は通じるものがあるのだそうです。
本の最後は、宮崎県産の特産物の紹介だったのがあれですが、かなりやる気と実行力が出る1冊で、少しでも見習えるところがあればと思い、まずはA6ノート術から取り入れようと思いました。
残念な点は、本がやや薄く文章量も少なめ。一気に読み終えてしまいます。もっと他にも話しを聞きたい、そんな物足りなさは感じました。
L change the WorLd complete set[DVD3枚組]
良くも悪くも写真集の延長版のような、松ケンLを堪能するための作品。
原作にないアクティブな部分も含めて、いろんなLの表情を見ることができます。
Lの人間的成長や人とのつながりを描くのが主旨らしいのですが、それならあの今時投稿漫画
でもやらないような陳腐なシナリオは、もうちょっとどうにかならなかったんでしょうか。
巨額を投じた村の爆破シーンや、B級ホラーもどきのウィルス感染シーンも、はっきり言って
目障りで映画の印象を悪くしているとしか思えません。
ただ、Lとワタリとの関係が、デスノートの月と総一郎親子の対比として描かれているようで、
そこはとても良かったと思います。
原作漫画ではLとワタリはほぼ同時に抹殺されるので、ワタリに先立たれたLがどうなってしまうのかは
描かれていないのですが、Lにとってワタリは誰よりも身近で特別な存在だったはず。
というか、そうであってほしいと個人的に思っています。
だから原作では描かれていない部分を創作し、Lの感情にあえて踏み込んだのは良かったですね。
ワタリの遺体を見つめるLの沈んだ表情が痛々しかった。松ケンの深い演技に鳥肌が立ちました。
前作デスノートの月は、父総一郎の期待や理想を裏切り遂には父を殺そうとした息子でした。
対して今作のLは、残る20日でワタリの残した未解決事件のファイルを片っ端から処理し、
「ワタリが悲しむから」という理由でKの野望を阻もうとします。
原作のLとは違うけれど、もしLにワタリの喪失を実感する時間が残されていたら、もしかしたら
この作品で描かれたように、Lは人間として変わったのかもしれないと思ってしまいます。
松山ケンイチはインタビューで「Lをひとりの人間にしたかった」と語っています。
しかし「監督はLをヒーローにしたいと思っていて、そこは自分と意見が対立した」とも…。
結局両者が歩み寄ってあの作品になったとのことですが、まず監督ありきなのが俳優の辛い所ですね。
前作に比べて曲がりすぎなLの猫背も、監督の指示らしいですし。
特典映像の「スピンオフ松田」は、ある意味映画本編よりもドラマチックで良かったです。
原作の松田は月派だけど、おセンチな松田らしいシナリオだし、それに対する松ケンLの応答
も(原作以上に)いかにもLらしくて、前作の総一郎とのラストシーンより良かったかも。
特典映像ではスポット集も面白かったです。
Lとワタリのハリポタ談義、Lの「…そーなんですか?」のセリフが絶妙で最高に可笑しかった。
やっぱり松ケンLはベストキャスティングだと再確認しました。