アースダイバー
中沢新一という人がどんな人で何を研究している人か、個人的にはさして興味を持ってこなかったのだけど、こういう本を書いて、それがそれなりに受け入れられているというのは、著者にとってはおそらく悪いことではない。
(20年くらい前にこれを書いてたら、もっとボコボコにされるか、あるいは一顧だにされないかのどちらかであったと思う。)
批判する人がいてもいいし、そうした批判を受けるだけの理由がこの東京論には実際あちこちにある。どうも気に入らない、こんなもんに付き合ってられないという人は、こんな本、捨ててしまえばいいのである。
けれども、捨てる神あれば拾う神あり。
洪積層だの沖積層だの、あるいは資本主義だの神話だのとアカデミックっぽく理性的めかして書いてはいるけれど、おそらくそれらの外貌そのものは、著者にとってはぜんぜん重要ではないのだろう。実証だの論証だのをもってしては決して届かない世界の闇。そこへ向けて自らの五感を作動させようとすること自体に、おそらくこの思索の意味はある。
実際にその土地を歩き回ることによって、アタマではなく、カラダで妄想する。それを無意味だと思うのなら、この本に意味はない。けれども、そこから何かざわざわするものを感じ、何かを考えようと思えたのなら、それでこの本を読んだ甲斐はあったと言えるのではないか。
評者としては、参考文献なんか離れて、もっともっと自由奔放に妄想してもよかったでのはないか、と思う。もっとも、そんなことをしたらもっともっとワケノワカラナイものに仕上がってしまった可能性は大なのだが。
MIN・MIN・MIN (Type A) (DVD付)
私は、別にSDNのファンでは、ありません。
CDもこれしか持ってません。
テレビCMで聴いて買った程度です。
が、実際この曲は良くできていると思いますよ。
ミンミンゼミの鳴き声にひっかけている詩も、おお、やりおるなあと思うし、
思わず口ずさんでしまいますよね。
このクオリティの作品が出せるのに、解散は本当にもったいないです。
悪夢のエレベーター (幻冬舎文庫)
2時間ほどで読み上げました。
少々同じ内容が繰り返され飽きてしまいましたが
上手く転がされました。
暇つぶしに読むにはとてもいい本です。
本の中にぎゅっと入っていけます。
図書館はコミュニティ創出の「場」 会員制ライブラリーの挑戦 (ネットワーク時代の図書館情報学)
本書は、ゼロベースで前例の無いライブラリーを立ち上げ、現在に至るまでのプロセスとライブラリーの存在意義を考え直す良書でした。
印象に残った点として、“無⇒有”、“集団としての組織⇒個の集合体”が挙げられます。
・いくつかの制約を受けつつも、逆手に取って理想の図書館を立ち上げるまでのプロセス。
・個室より集団の中で仕事をしたいというニーズ予測の相違と、集団の出会いの場を提供したコミュニティ作り。
・既存の図書館(主に公共図書館)、並びに図書館情報学に対する疑問を投げかけるものの、見当違いの反応しか返ってこない現状。
定期的に図書館通いをする私にとって、本書は色々と考えさせられる1冊でした。