東京原発 [DVD]
どたばたコメディと思いきや、原発安全性や利権問題などを
ちっくり批判している秀作映画。
役所さん演じる天満都知事がいい味だしてますね。
なんでも思いつきで行動してしまうダメ知事が、またも
新宿中央公園に原発を誘致するという突拍子もない計画を
立ち上げたかと思ったら、その裏には無関心日本人に
原発への関心を持たせるという壮大な意図が隠されていた!
展開はコメディタッチですが、言いたいことをズバッと
言ってくれている気持ちいい作品。
戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫)
文語の語り口が、その壮絶さを表すにふさわしい表現形式なっている。
又、その時々に著者が語るたわいもない日常の事柄が、切迫した緊張を伝える。
戦艦大和の出撃は、いわば自殺であり敗戦の象徴を日本人に示す為の出港ではないかと考えた。大和が無傷でいる限り、誰もが奇跡を信じる。大和が沈んでこそ、幻は晴れる、と海軍首脳は考えたのではなかろうか。
そうでなければ、この出航は暴挙以外の何ものでもない。わずか9隻の駆逐艦と、航空兵力は皆無であって、航路には敵潜水艦がいる中での作戦は、外にないのではないか。
この本は著者が戦争の愚かさを後世の人に伝えた手紙だと思う。しっかりと我々は受け留めなければならないと思う。
サウスバウンド スペシャル・エディション [DVD]
我侭親父を説得力たっぷりに演じるのは流石、トヨエツといったところ。
ただ、結局なにが言いたいかわからなかったのが正直な感想。
ハチャメチャっぷりは小気味良かったし、楽しめたのだが、
「真に向かってまっすぐ進む」とはいうものの、ただの迷惑な自己中親父とも思えるし、
「親父ってスゲェ!」となるのは無理があるんじゃないかと・・・
正義なのか悪なのか、ただ破天荒で我侭なのか、どう見せたいのかがわからなかった。
トヨエツ、天海祐希の演技は流石としか言えない素晴らしいものだったが、
自分としてはトヨエツの娘役を演じた女の子の可愛らしくハツラツとした演技が一番の収穫。
沖縄の綺麗な映像と相まって癒されました。
日本一メルセデス・ベンツを売る男―ザ・トップセールス 吉田満の販売術
ハイクラスの商品を販売する上でのセールスマンの心構え、姿勢など大変興味深く読ませて頂きました。オフタイムの話や一般論的な部分もあり、自分自身にあてはめるのは難しいところもありました。自分がわかる範囲で参考にさせて頂こうと思います。面白かったです。
真夏のオリオン [Blu-ray]
戦争を体験していないで戦争映画を評価するのはおこがましい。
悲惨さを描けば納得するのも変だ。
激しい戦闘を描かなければ戦争映画ではないのか?
当時は全国民が戦争に巻き込まれていた。
一人ひとりに物語がある。
どんなに本を読んで調べても知りうることは一人の体験者を風がかすめた程度でしょう。
この作品はこれまで描かれたことのない実在した艦長がモデルになっています。
生きるために戦った戦士。どのように戦ったのか、どうしても観て見たかった。
それともう一つ。
出演する女優がたった一人ということ。
戦場で愛する人を想い必死に戦う兵士たち。その心情を
家族や恋人との絆を、たった一人でどう表現するのか?
戦場が海で、潜水艦乗りなので殆んど海中での頭脳戦です。
何しろ日本軍には残された武器もわずか。
無駄にせぬよう戦う勇士たち。
艦長が恋人を回想するシーンが艦長の人物像を浮き立たせる。
恋人がスクリーンに映る時間はわずかながら、鮮明に残るその存在感は
一人でも充分に際立っている。天晴れ!です。
このような上官が実在したことが何より救いでした。
そして、戦争は悲惨だった、間違いだったと否定しているだけでは
何の教訓にもなっていないのではないか?と思い至り、
今後の戦争映画の方向性を見た気がした。
戦争映画を観て救われたのは初めてです。
このような作品を待っていたのだと気づかされました。
何度も繰り返し観てしまう。
戦争を体験していないけど、他人事ではない方には必見です。
重荷が少し楽になりますよ。