海底大戦争 [DVD]
ガキの時にこの映画を見た友達が盛んに怖いと言っていた。
後から自分が見て、恐ろしくて震え上がったな。
子供にはこの映画はかなり怖いな。
怖いと言っても「サスぺリア」とか「震える舌」とかああいう怖さではなくて、
ストーリー自体の怖さと言うのか、細かく書くとネタバレになってしまう。
この映画に関してはストーリーを知らないで突然見た方が恐怖を感じるだろう。
見た後で何とも言えない嫌なトラウマが残る。
でも一度見た後で改めてこの映画を評価してみると、
非常にシナリオ的にはよくできた映画で、
「緯度0大作戦」や「ガンマー第3号宇宙大作戦」のように外人を使って日本映画を作っていて、
明らかに海外輸出を前提として作られている。
あの当時、SF映画では日本が世界で最も傑出していて、
結構外国にSF映画を輸出していたのではないか?
日本でアイデアが出尽くして、それをハリウッドが違う形に作り変えてヒットを博しているケースがほとんどだ。
例えば、「マタンゴ」は「ゾンビ」として生まれ変わり、
それが後に「バイオハザード」に繋がり、一つのジャンルを形成してしまった。
SFXの技術でハリウッドに負け、一時期主導権を奪われたが、
最近はCG技術の御陰で日本でも本格的なSF映画が作られ始めている。
この映画は良かれ悪しかれ大変なインパクトがあるし、
日本人と金髪女性のヒロインという組み合わせは、どこか「北京原人の逆襲」を思わせる。
そういう古臭い映画の魅力を多分に含んだ映画だし、
何しろ仮面ライダーのアイデアの大元になった映画なので、
何か面白い映画を見たいなと言う人にはぜひお勧めする。
身の上話
「嘘」と「衝動」のために
人生を破滅させていく女と
その周辺人物の物語です。
恐ろしいのは、人生を破滅させていくのが
その主人公だけではなく
主人公に関わった、ほとんどの方々だから。
ある人に関しては主人公の恋人が現れたために
人生を狂わす行動をとらざるを得なくなりますし
ある人は、主人公の秘密に気づき、
人間ではなくなっていきます。
本当、この主人公、と言うものは
存在自体が迷惑そのものです。
そのくせ他人には秘密を守れと強要する。
身勝手なものです。
しかし、結局主人公は
その嘘によって手に入れた栄光のために
最後にはついに何もかもを失います。
そんな、無責任な女の話です。
ミステリー要素が絡みますが容易に想像できるので
それがらみとは言いがたく、中途半端です。
こういったいい加減な女がむかつく人は
絶対に読まないことです。
LAST FOREVER Tokyo Bunka Kaikan 11.02.2008[DVD]
このDVDが出るまで、”原 信夫とシャープスフラッツ”を知りませんでした。
テレビに原 信夫さんがが引退されるということで出演されていて、そのお人柄に惹かれ、すぐ購入しました。
普段は、Sound Horizonとか聴いてますw
クラシック、オーディオは少し興味があります。
幾度と無く、その後聞いていますが、DVDとは思えない音がします。
SACDが出ているのを知って、どんなに上回る音だろうとドキドキします。
原 信夫さま、お疲れ様でした。
素晴らしい音楽を、新参者にもありがとうございました。
アンダーリポート (集英社文庫)
今年7年ぶりの新作「5」で500ページを超える長編傑作をモノにした佐藤正午、1年も経たないうちに早くも新作が刊行、躊躇なく購入、一読した。主人公は中年に差し掛かった検察事務官、堅実だが平凡な公務員生活を過ごす彼が唯一遭遇した若き日の劇的な出来事が、ある人物との再会を契機に、15年の歳月を遡り検証されていく。主人公の終始一人称で物語は展開し、“真実”にたどり着こうとする出来事が殺人であるため、探偵小説を読んでいるような感覚になるが、ミステリーと呼ぶにはいささか脆弱。これ、ある有名なミステリー映画、フィクションの世界では常套のトリックがそのまま生かされているのだけれど、“荒唐無稽で、絵空事で、説明がつかない”と称されている割には拍子抜けしてしまうほどヒネリがない。かと言って、その運命を手繰り寄せた者たちのドラマ性が過剰に押し出されることもない。検察事務官との職業柄なのか、主人公は努めて冷静に事実をたどり、決して“真実”の裏に隠された当事者たちの情緒的な想いに迫ることはないのだ。そつなくまとまっているものの、ここら辺が評価の分かれる処だと思う。他のレビュアーの方同様、意味ありげに設定される冒頭のシークエンスが、真相に行き渡った主人公が鍵を握る人物と対峙しに向かうラストに連環し、何気なく読み始めたフレーズに新たな意味を持たせるのは、相変わらず巧いと唸ったが。
アンダーリポート
今年7年ぶりの新作「5」で500ページを超える長編傑作をモノにした佐藤正午、1年も経たないうちに早くも新作が刊行、躊躇なく購入、一読した。主人公は中年に差し掛かった検察事務官、堅実だが平凡な公務員生活を過ごす彼が唯一遭遇した若き日の劇的な出来事が、ある人物との再会を契機に、15年の歳月を遡り検証されていく。主人公の終始一人称で物語は展開し、“真実”にたどり着こうとする出来事が殺人であるため、探偵小説を読んでいるような感覚になるが、ミステリーと呼ぶにはいささか脆弱。これ、ある有名なミステリー映画、フィクションの世界では常套のトリックがそのまま生かされているのだけれど、“荒唐無稽で、絵空事で、説明がつかない”と称されている割には拍子抜けしてしまうほどヒネリがない。かと言って、その運命を手繰り寄せた者たちのドラマ性が過剰に押し出されることもない。検察事務官との職業柄なのか、主人公は努めて冷静に事実をたどり、決して“真実”の裏に隠された当事者たちの情緒的な想いに迫ることはないのだ。そつなくまとまっているものの、ここら辺が評価の分かれる処だと思う。他のレビュアーの方同様、意味ありげに設定される冒頭のシークエンスが、真相に行き渡った主人公が鍵を握る人物と対峙しに向かうラストに連環し、何気なく読み始めたフレーズに新たな意味を持たせるのは、相変わらず巧いと唸ったが。