ふたりのロッテ (岩波少年文庫)
作者のケストナーは、ほんとうに子どもたちのことを考えているんだって、この作品を読んでしみじみ思った。
ケストナーの作品は、いちおう子ども向けの児童文学に分類されているけど、大人にもぜひ読んでもらいたい。
とくに、子どもの親になる人や、なっている人は感じることがたくさんあるはずだ。
「ふたりのロッテ」は、生き別れた双子の女の子が子ども村(学校の長期休みに子どもたちが集まって共同生活を経験するところ)で偶然再会し、入れ替わってそれそれが一緒に住んでいる親に会いにいくというお話。
ふたりのロッテ(ルイーゼとロッテ)は、離婚した両親にそれぞれ引き取られたのだけど、ルイーゼはおおらかに、ロッテはまじめな性格になっていた。
置かれた環境によって変わってしまったのだ!二人に共通していえることは、愛情にうえているということ。
物語は、そんな純粋で大胆なふたりのロッテが起こした奇跡を明るく楽しくユーモアたっぷりに描いている。
親にどんな都合があるにしても、子どもは子どもらしく、のびのびと過ごすことが大切なのだ。
大人になってから、心のよりどころや支えになるのは、子ども時代の楽しい思い出なのだから。
親には、自分がどんなに苦労していても、子どもがあまりに早く子どもの時代という楽園から追い出されないように守ってやる義務がある。
ふたりのロッテには、作者のそんなメッセージが込められていると思った。 (矢)
Das Doppelte Lottchen
エーリヒ・ケストナー著「2人のロッテ」原書。入門書や絵本レベルを卒業し、手頃な副読本を探している1〜3年目のドイツ語学習者にお勧めの一冊。両親の離婚で赤ちゃんのとき引き離された双子の女の子が林間学校で偶然出会い、衝突し、双子と分かって仲良くなり、入れ替わり、そして・・と、小説作りのセオリー(起承転結)で展開する他愛ないストーリーなのだが、読み進むほどになぜかジーンとなって引き込まれてしまうのがケストナー。 DRESSLER社のハードカバーは、装幀、紙質、活字ポイント、挿絵すべてが良く調和し物理的に心地良く読める。ドイツ語学習者にとって幸いなことに、OETINGER社から原書のスクリプトを忠実に短縮編集したCDがある(47分)。欠点は余りにも抜粋し過ぎだが、絶妙の配役・迫真の朗読は、それを補って余りある。会話に使える表現多し:ISBN:3789101362。 ごく最近、edel Kids版で映画からの68分CDが出たのでとりよせてみた(9783898556293)が、残念ながら原書からは全く離れてしまってサブテキストには使えない(それ自体は悪くないが)。 なお、DERSSLER版で敷居の高い人にはKLETT社の簡約版も(挿絵は酷いが)意外と内容はまともなので先に買ってもいい:3126756808。 対訳には、岩波から邦訳あり。なお、邦訳を買うときは簡訳版でないか注意が要る。
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今では、『フォーチュンクッキー』や歌手として有名なリンゼイ・ローハンが子役のころに出演した映画!
正直、私はこっちを見たのが先なのでリンゼイ・ローハンが歌ってたりすると不思議な感じを受けます。それに、最初本当に双子が演じていると思っていたものですから子供のころのリンゼイ・ローハンの演技に驚きです!
内容としては、
夏のキャンプで出会った同じ顔がもう1人、、、何か気になるけど喧嘩しちゃう。あまりに衝突するから2人で1つの部屋に入れられて、ちゃんと話したら、え?!私たちは双子??パパとママは私たちが小さな頃に離婚していた?!ママに、パパに、会いたい!!!
ふたりのロッテ (ケストナー少年文学全集 (6))
もし、両親のことで悩んでいたり(どちらか一方がいないとか、けんかが多いとか)、兄弟のことで悩んでいたり、(一人っ子でさびしいとか、きょうだいが多すぎるとか)、家族に関することで考え事をするようになったとき、ちょっと手にとって読んでもらいたい名作です。
わたしは、ドイツという国や子どものキャンプ、離婚とはどんなことか、お料理をする、お手伝いをするってどんなことなのか、自分のうちとはちがうなあと感じながら、どんどんロッテとルイーゼの気持ちになっていきました。そして、両親が大人だからといって、子どもの自分の気持ちを確かめずに勝手な事をしてほしくないと本当に思いました。
わたしたちみんなの心の中に、もう一人のロッテは必ずいると思います。