開高健~河は眠らない~ [DVD]
「釣り師は心に傷があるから水辺に立つ」というようなことを開高さんは著書に書いておられました。
本編はアラスカのキーナイ河に遡上するキングサーモンを釣り上げるまでを、美しい河の流れや周囲の豊かな自然風景を
交え、ゆったりと見せてくれます。そこに開高さんの哲学、自然観、宇宙観が溶け込んでいきます。
世界各地の戦場で見聞き経験した凄惨な現実・・だから開高さんは水辺に立ち続けたのでしょうか。
雪男は向こうからやって来た
著者は、早稲田大学探検部を経て、朝日新聞記者。
退社後2008年の「雪男捜索隊」に加わりネパールへ向かう。
そこで目撃された足跡や、今井通子、田部井淳子といった先人の目撃譚は
玉石混淆である。
現地の人さえ見たことがないという雪男、
それはユキヒョウではないのか、ヒグマではないのか、カモシカではないのか、
サルではないのか。
ネパールというと玄関のイメージだが、著者たちがベースにしたポカラは一年を通してカトマンズよりも暖かい。
過ごしやすく温暖な気候だが、カトマンズのからっとした気候に比べると、ポカラの湿度は多少高め。
雨季には蒸し暑さを感じることもあるが、日本の湿気に慣れている日本人であれば、十分適応できるし、
日本の猛暑に鍛えられた体であれば、過ごしやすいぐらい。
ただし6000メートル以上の山は雪も降るし、雪崩も起きる、氷河だってある。
低地は熱帯のジャングルで、冬の間はそこに潜んでいる雪男は、
夏になると芽吹きだした草木を食べようとして岩山に上がってくるようだ。
しかしなぜそのような行動様式を獲る日つよがあるのか。
巨人と玩具 [DVD]
社長:「ほんと人が多いなあ、この人の川がキャラメルを食べると思うと皆キャラメルに見えてくる。今もうちのキャラメルは結構売れている、しかし、もっと売れれば良いに越したことはない。」、企業と商品と宣伝と大衆、そしてタレント。欲望と競争、真実と偽り、そういった溢れる「情報」に振り回され、それに触発された「欲望」に飲まれていく。
生きている以上、好きなことをしたい、金も欲しい、楽もしたい、そのために犠牲になるもの、失うものもある。でも、犠牲になるもの、失うものがあるから、達成した時の喜びもあるわけで、、、で、失敗した時のショックも大きいわけで、この映画は、何も抽象化することなく、私達の「生きる」という意味を問いかけていて、あまりに近いので、「しかたねえんだよなぁー。」なんて思っちゃいます。
まあでも、欲望にまみれながらも、愛とか良心てもんを、少しは持っておこうよ、というスタンスは現実的でスキですね。キレイごと過ぎないのがいいです。
それにしても、劇中の会話で、「広告にタレントを使うと人はタレントを見に来る、商品を見に来ない。」というところは、言い得ていますね、それでも、タレントを使うと最大瞬間風速が高くなり、商品は売れると、、、しかし、宣伝費は莫大になる、、ワールドキャラメルのそういった派手な短期戦型と、アポロキャラメルのように人々のインサイトを突いた戦略を練り宣伝費を抑えてブランド構築をする長期戦型と、現代の広告の構図も捉えていますね。
原作者の開高健さんは、サントリー宣伝部出身だからなのでしょう。
増村監督の作品は、良い佳作が多いのですが、テーマを抽象化しないので、
何回も観れる作品ではありません、TVの2時間社会派ドラマを観ているような感じですね。それはそれで、良いと思います。
オーパ、オーパ!! モンゴル・中国篇 スリランカ篇 (集英社文庫)
近くて遠いモンゴル。 私たちと瓜二つの人々がそこで生まれ、普遍の営みを続けている。 たとえ言葉が通じなくても、かの地の人々の人々が発する息吹は自分たちに何かを語りかけてくるように感じる。 そう、言葉はいらない。 真摯な二つの眼と、一本の竿があれば・・・ たかが魚釣り、されど魚釣り。筆者の想いのすべがこの本には溢れている。
目的は魚を釣り上げること。だが、それが自然との闘いであり、また自然との出会いでもあること、そして自然にいかに接して行くべきなのかがページの端々から感じ取れる。難しい言葉はどこにもない。あくまでも自然体。それがこのほんのスタイルだ。
彼が、我々の忘れ去った自然との関わり方、その姿を釣りの形をとり語りかけているのも必然なことだったのだろう。 開高建はもうこの世にはいないけれど、彼がこの本で残した生き方を、私は忘れることはないだろう。 ページをめくるたびに、未だ見ぬ大陸の、大物が、優しい笑顔の人々が私を待っているような気がしてくる。
大人の文房具【文豪たちに愛された傑作文房具&書斎グッズ】 (100%ムックシリーズ)
メインは万年筆。
その他おもに筆記具に関するムックシリーズ。
往年の作家の万年筆に関するエピソードが興味深い。
つい自分の万年筆と比べてみたくなります。
(あるいは、万年筆をもっていない方はつい欲しくなってしまうでしょう)