野球術〈下〉打撃術・守備術 (文春文庫)
「野球とは知性のスポーツである」ことを明らかにしたウィルの『野球術』下巻は、サンディエゴ・パドレス(当時)のトニー・グウィンを基にした「打撃術」とボルティモア・オリオールズ(当時)のカル・リプケン・ジュニを題材とする「守備術」、そして結論が収められている。
グウィンもリプケンも殿堂入り確実な「現代の名選手」だが、執筆当時の1989~90年代はまさに脂が乗っていた時期。最高の選手の最盛期を取材することで、内容はよりいっそう充実している。
結論では、一般に「野球黄金時代」と思われている1920~30年代や1950年代に比べ、現在の野球の方が情報密度が高まり、どのチームもどの選手も情報の恩恵にあずかることができるため、球団間の実力の差は狭まっているとされる。そして、4割打者が誕生しないのは、選手の実力が低下したためではなく、投手も打者も実力の底上げがなされたからだと指摘している。
自らの技術を的確に開陳する選手と、選手礼賛にならず、批判的な視点をもちつつ論を展開するウィルの手法は明晰。芝山氏の流麗な翻訳がその妙味を引き立てている。
「野球」の本質を知りたい方には是非一読をお勧めする。
野球術〈上〉監督術・投球術 (文春文庫)
ハーシュハイザー投手、グウィン外野手、カル・リプケンJr.内野手等の80~90年代を象徴するアメリカ野球選手(及び監督)に、アメリカ政治分析で著名なコラムニストがインタビューを通じて知的に迫った本。大リーグの選手は自分の欠点を明確にわきまえているといった指摘、細部にわたる野球術の解説など、素晴らしく面白い。この本が、イチローで盛りあがる大リーグ人気を踏まえて文庫本として広く流通することになったのは喜ばしい。ちなみに著者のジョージ・ウィルのコラムは、例えばワシントン・ポスト紙(ウェッブでも)のコラム欄でも見ることができる。ここでも、たびたび野球と政治を関連付けたコラムが登場し、面白く読むことができる。
X2: Business As Usual / Cargo
これは2003年にリマスター&ボーナストラック追加で
再発された1、2枚目をそのままパックにした商品です。
なのでバラで買うより安いならいいのではないでしょうか。
ザ・ベスト・オヴ・メン・アット・ワーク
1作目『Business as Usual』から5曲、2作目『Cargo』から6曲、3作目『Two Hearts』から5曲と各アルバムからの選曲もバランス良く、リマスターによる音質も良好。音楽自体の素晴らしさも、懐かしさも星5つのベスト盤ですが、残念ながら3作目からの1stシングル「Everything I Need」(全米47位)が収録漏れにつき、マイナス1とさせていただきました。大ヒット曲ではないとはいえ、なぜ…実に惜しい。ヒット曲コレクターの方はご注意を。
なお、8曲目「I Like To」はオリジナル作未収録のライブ・ヴァージョンです(スタジオ版は2作目に収録)。当方が調べた範囲では、アメリカ盤7"シングル「Dr. Heckyll & Mr. Jive」のB面に収録されていたようです(2作目の拡大再発盤には未収録。他の編集盤等への収録状況は未確認)。貴重といえば貴重かもしれません。
当方のPCだけかもしれませんが、収録曲が文字化けしていますので、同様の方のために原題を記しておきます。
01. Who Can It Be Now?
02. Down Under
03. It's A Mistake
04. Hard Luck Story
05. Still Life
06. Underground
07. Upstairs In My House
08. I Like To [Live]
09. High Wire
10. Maria
11. Be Good Johnny
12. Dr. Heckyll & Mr. Jive
13. Overkill
14. Man With Two Hearts
15. Snakes And Ladders
16. Down By The Sea