NHK大河ドラマ総集編 翔ぶが如く [DVD]
この大河ドラマは、私が今まで見てきた大河ドラマで一番感動したものだった。キャストが素晴しかったこともあるけれども(特に鹿賀丈史さんの大久保翁は素晴しかった!)、この個性のキッツイ時代を生きた人物を、個性バリバリの俳優が演じているところが魅力だったと思う。そして原作の司馬さんが言わんとしていた、「西郷と大久保は時代が変わって天敵になったのではない」といったメッセージが、ちゃんと伝えられていると思います。最後、大久保翁暗殺のシーンは涙なくしては見られません。幕末・明治維新というと、男性ばかりが目立つところがありますが、女性もしっかり描かれていて、好感が持てました。西郷の妻や大久保翁のとても面白い、機転のきく奥方、そして彼女たちの悲しみ。同じ女性として、もし波乱の人生を送る夫を持つことになったら、こんな風に生きれるだろうか、とよく思ったものです。
ドラマ自体は原作「翔ぶが如く」に忠実なわけではなく、他に「竜馬がゆく」なども読まないとわからないところが多いですが、残念なのは総集編ということで、幕末にはよくフォーカスが当っているものの、後の肝心な大久保・西郷の決裂、そして西南戦争あたりが端折られていてものすごく残念でした。このドラマだけはフルでDVDで見たい。今でもそう思っています。
渋沢栄一「論語」の読み方
日本の偉人を例に挙げながら解説されているところが、楽しい。
論語初心者向けです。
論語に書かれてあることを心に留めておけば、政治、企業の不祥事が起こるはずが無い。それだけ誘惑が多く、守ることが難しいのでしょう。今の代議士の中にも漢文を読める知識のある人がいるとのことだから、もう一度とにかく読んでもらいたいものです。
大久保利通 (中公新書―維新前夜の群像 (190))
大久保は才能は特別優れていたわけではないが、頑固さというか自分の意見に対して強い信念があり、それを着実に実現していく努力、忍耐強さがあったというのはなるほどと思った。
また、理想や思想的なものにはあまり興味がなく、バランス感覚に優れた現実主義者だというのもうなずけた。
若いときに派閥争いに巻き込まれ親が流刑になり、本人は蟄居させられる苦労をしたことも、その後の活躍に役だったと思われる。
近現代日本を史料で読む―「大久保利通日記」から「富田メモ」まで (中公新書)
近現代の日本史を膨大な著名人の日記によって読み解く。
と言ってもそれらの日記の詳細を読み解くのではなく、
それぞれの日記の読み方・価値を解説するものである。
『大久保利通日記』
『木戸孝允日記』
『原敬日記』
『後藤新平日記』
『濱口雄幸日記』
『重光葵関係文書』
『高松宮日記』
『梨本宮伊都子日記』
『昭和天皇独白録』
『徳富蘇峰 終戦後日記』
『入江相政日記』
『富田メモ』
『石橋湛山日記』
『鳩山一郎日記』
『佐藤栄作日記』
『大正天皇実録』など。
中の『富田メモ』には「昭和天皇が靖国へのA級戦犯合祀に不快感を示したこと」
「参拝中止が『私の心だ』」と発言したことなどが綴られている。