三式戦「飛燕」・五式戦―キ六○に端を発してキ一○○に至る大戦期液冷発動機装備戦闘機の系譜 (歴史群像 太平洋戦史シリーズ Vol. 61)
陸軍飛行244戦隊の戦隊長・小林照彦少佐の乗機のうち、三式戦闘機「飛燕」と五式戦闘機の二種類が一度に手にできる。歴史や諸元も書いてあるので、常に身近に感じるために購入した。
「飛燕」と五式戦闘機に関する著作なら、内容を問わずすべて手にしたい、という欲求もあり、発売とともに買った。
また、小林隊長の乗機の塗装も収録されていて興味深いし、ありがたい。
液冷戦闘機「飛燕」―日独合体の銀翼 (文春文庫)
開発史、運用史ともに定本と言える著作である。川崎の液冷機の開発過程と、それらがどう評価されたのかを平易に知ることができる。運用史、つまり戦闘行動の総体的な実情と結果については、日米どちらにも片寄らない冷静な記述で、類書の追随を許さないと思う。当時の関係者の多くが物故した今となっては、今後もこれ以上の内容の本は期待しにくい。飛行第68戦隊のラバウル進出時の記述は圧巻で、初めて正確な事態を教えられた。この部分を読めば全体の水準の高さが分かるだろう。
1/32川崎 キ61 三式戦闘機 飛燕 I型 丙
可もなく不可もなく
これといって褒める点もないですが欠点もなく
結局は作りやすくそこそこ精度も高い
如何にもハセガワ風味のおすすめキットです。
比較的新しい製品なので、ストレスなく組めると思います。
パイロットの出来が非常に良いです。
銀塗装はリベットが栄えるので、リベット入門用にも適した素材かと思います。
陸軍3式戦闘機「飛燕」 (世界の傑作機 No. 17)
世界の傑作機1989年7月号、陸軍3式戦闘機「飛燕」の特集です。
本機の資料、写真集として定番の一冊です。慣れない液冷エンジンと補器類による不調、その液冷エンジン搭載機ならではのカッコよさ、過酷なニューギニア戦線でのデビュー、本土防空戦における244戦隊の活躍と派手なマーキングなど、ネガポジ相反する顔を持った戦闘機。そんな本機の魅力が、写真とイラスト中心で纏められています。
発行から20年以上が経ちましたが、2004年11月発行の飛燕戦闘機隊―帝都防空の華、飛行第244戦隊写真史とは、244戦隊の写真が数枚ダブっているだけです。2007年11月発行の三式戦「飛燕」・五式戦―キ六○に端を発してキ一○○に至る大戦期液冷発動機装備戦闘機の系譜 (歴史群像 太平洋戦史シリーズ Vol. 61)では「ニューギニアでのマウザー砲改造機はおそらく存在しない」「二型までの応急的な武装強化型が一型丁」「黄緑七号色は暗いオリーブドラブ」などと解説されています。日本機ファンとして、これからも本機の解明が進むことを願っております。
空戦 飛燕対グラマン―戦闘機操縦十年の記録 (光人社NF文庫)
・私はある時期、戦記物を読みあさったことがある。理由のひとつは、昭和一桁生まれの両親から聞いていた戦争について、自分で確かめたかったから。もうひとつは、結果的に敗れたが日本軍も善戦したであろうことを具体的に知りたかったから。そんななか本書にふれ、優れた搭乗員であった筆者が、命令とはいえ圧倒的多数の敵と渡り合った件を読み、感激した。空戦技術の高度さは言うまでもなく、自分が撃墜した米軍パイロットを弔う機会を得て落涙を禁じえなかったことを知り、田形氏の高潔な人格に心洗われる思いがした。また新戸原軍曹との連携で、編隊空戦を優位に進める叙述にはなかなか深みがある。今尚ご健在であれば、ぜひ体験談も伺いたいと念じている。