N・H・Kにようこそ! ネガティブパック<オリジナル無修正版> 第3巻 [DVD]
角川文庫刊・滝本竜彦原作/少年エース連載・大岩ケンヂ漫画の
『N・H・Kへようこそ!』TVアニメ第5〜6話を収録したDVD3巻です。
大学を中退し、無職のまま4年間ひきこもっている主人公・佐藤達広。
社会復帰を目指すべく孤立奮闘するものの、逆に堕ちて行く様が痛々しい作品です。
今回、彼女との再会をきっかけにようやく次の舞台へ物語は進んでいきます。
第5話「カウンセリングにようこそ!」★★★☆☆
高校の先輩・柏 瞳との再会をきっかけに彼が自分の意志を取り戻す物語です。
社会内外で適正できない二人の微妙な距離感の描写が、病める現代人を巧みに風刺しています。
彼女達の優しさに触れた彼の葛藤と決意は「ひきこもり」への強い反発メッサージのように
感じられました。義務感とは異なる、彼自身の成長が強く現れており次回への期待が掛かります。
第6話「クラスルームにようこそ!」★★★☆☆
後輩・山崎に彼女がいる!?その真偽を確かめるべく佐藤達広は専門学校へ潜入します。
集団の中に彼を放り込むことで、他人に疑心暗鬼を抱いてしまう「ひきこもり」の実態を
的確に捉えた描写が巧みです。シナリオ作りと岬とのカウンセリングに加え、自分から
アパートを離れて能動的に動きだそうとする彼の成長ぶりもちらり。あいかわらず、
かなり倒錯した喜怒哀楽と妄想壁の暴走描写が顕著で笑わせてくれます。
N・H・Kにようこそ! 通常パック<オリジナル無修正版> 第1巻 [DVD]
オタクで引きこもりの佐藤君。少々思い込みや被害妄想な部分はあれど
日本のどこにでもいそうな青年がこのアニメの主人公。
後輩でオタクの山崎と再会してから彼の人生の歯車が動き出す。
ヒッキーなのに、宗教の勧誘で知り合った岬ちゃんと公園で会ったり、秋葉原行ったり
、エ○ゲー作ったり、なんだかヒッキーじゃなくなってすっかりアキバ化した
彼のそんな生活模様を眺めているだけで、見ている方もなんだか楽しくなってきてしまう
、そんな不思議なアニメ。
オタクでダメ人間の話なのに、ぜんぜん暗くない。むしろ明るい前向きな作品なのだ。
またオタクの話だけではなく、日本の諸問題も作品に描かれていたりする。
内容はネタばれになるので省くが、このアニメのヒロインの岬ちゃんは
宗教の勧誘で知り合っているし、主人公は悪徳商法にハマったりやネットゲー中毒になったり
その他いろんなことに巻き込まれる。その端々に今の日本が見えてくる。
それ以外にも、佐藤君と岬の恋、山崎の恋、など見所がたくさんある作品なのだが、よく
これだけの要素をうまくまとめたな、と関心してしまった。久々に漫画のほうも見たいと思った作品。
シュガーダーク 埋められた闇と少女 (1) (角川コミックス・エース 98-18)
冤罪で、終身刑を受けたと思われる主人公が、つれてこられた屋敷で
墓穴を掘る仕事を任され、得体のしれない事態に巻き込まれていく様を描いた
ダークファンタジー・ボーイミーツガール物の原作ありの漫画です。
大岩ケンヂ氏の漫画は未完で終わることが多いのですが、
この漫画は原作ものということもあり、完結が期待できそうですね。
良い漫画だと思います。
NHKにようこそ! 7 (角川コミックス・エース 98-11)
次巻で最終巻ということでストーリーは急速に終わりに近づいています。
達広君は岬ちゃんと恋愛しようと言われても逃げ出して
山崎君は革命爆弾を作ろうと壊れて
岬ちゃんは病気だと言われて動揺して
結末に向かっているはずなのに混沌としています。
それにしても達広君は餓死しようとするし、山崎君は爆弾作ろうとするし
本当に見事にひきこもりの思考が描写されています。
私は文章に表すことができませんが、
何かとても大切なリアルを伝えようという意志が伝わってきます。
N・H・Kにようこそ! ネガティブパック<オリジナル無修正版> 第4巻 [DVD]
角川文庫刊・滝本竜彦原作/少年エース連載・大岩ケンヂ漫画
『N・H・Kへようこそ!』TVアニメ第7〜8話を収録したDVD4巻です。
大学を中退し、無職のまま4年間ひきこもっている主人公・佐藤達広。
社会復帰を目指すべく孤立奮闘するものの、逆に堕ちて行く様が痛々しい作品です。
今回、母親の上京という緊急事態に達広はその場しのぎの誤魔化しに奮闘します。
第7話「モラトリアムにようこそ!」★★★☆☆
山崎の専門学校に侵入してから逆にひきこもりが悪化した達弘。
しかし、今度は2日後に母親が上京!?しかも口から出任せで事態すら悪化させてしまい
彼の苦難に苦笑の連続。山崎との嘘の会社の立ち上げ、恋人役を買って出た岬の協力など
その勢い、情熱を他所へまわせよと突っ込みたくなります(笑)。
達弘の詳細個人情報を知る彼女の謎めいた部分にも要注目です。
第8話「中華街へようこそ!」★★★★☆
嘘で自己保身を図る愚かさ、その後心に残る罪悪感の重みを曝け出しています。
全てを悟った上で大人として振舞える母・静枝の大らかさを見習いたいものです。
ひきこもり以前に人間としてのあるべき姿を説いたテーマ性の強さに引き込まれますが、
やたら積極的にアプローチする岬と達弘の描写がかなり倒錯していて、
なんだかいいとこづくめ過ぎて違和感ありすぎ。彼の自己管理能力の無さと、
彼女の家庭環境の問題など互いに欠落した部分を匂わせる展開も気になる点です。