ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット第三集
小説のタイトルとしてはとても気になるもので,書店で新潮4月号の表紙を飾っていた時にも手に取ってみたりした。
「サーチエンジン・システムクラッシュ」の主人公である「町村」と同じ名前の人物が30年以上前に借りた本を返しに行く「返却」は,その設定のシンプルさとはまた違った,幻暈を覚えるような小旅行である。「サーチエンジン〜」でもそうであったように,町村は今回もまた「あったはずの場所」を探して彷徨ってしまうのだが,今回のほうが読後感としては心地よさがあったりした。
また,表題の「ボブディラン〜」においては,2001年9月1日に起きた歌舞伎町ビル火災から11日間の,主人公に訪れた「世界の変容」を描いている。世界の変容については脳内物質における分泌の問題によって起こることがあるが,ここしばらくの社会情勢や天変地異によって実際に起きているとされているようである。それは,1995年に起きた地下鉄サリン事件と阪神淡路大震災の前後であったり,2001年のアメリカ本土へのテロ事件の前後であったり,2011年の東日本大震災の前後であったりするわけですが,そろそろ私たちを取り巻く環境に対して,私たち自身がついていけなくなっていると実感させられることも多いこのごろです。
著者は,いつものエッセイにみられるような軽快な文章と,舞台にのせたときのあの不思議な感じをミックスさせた本書を私たちに示してくれている。これが,2010年代の新しい枠組みであったりルールであったりするような気がしてならないのです。「サーチエンジン〜」を読んでから読むのもよし,本書を読んでから「サーチエンジン〜」を読むもよし。あれから11年たって,一緒に読むことができたのも幸運だったと思うのです。
Freewheelin Bob Dylan (Reis)
俺はボブディランはベストからはいったんだけど
ベストはいろんな年代の代表曲が集められてるわけで俺はそんなかでとくにこのころの
弾き語りのボブディランが好きだった
泣けます
iSong ギターレッスンシリーズ Bob Dylan
オリジナルの音になんとなく忠実なタブ譜がついていて
わかりやすくて音を探す意味では良いのだが
はたして本人が、その位置を弾いているのかは疑問だ。
動画よりもタブ譜の動きを観てゆけば大体の感じがわかってくるのだが
あまり初級の方にはお勧め出来ないと思う。
第一BOB DYLANの奏法自体が癖の塊なんだから・・・
ボブ・ディラン自伝
時系列ではないのですが、それがかえってそれぞれの章を印象深くしているように思えます。今までディランはポール・ウィリアムスにしろマイケル・グレイにしろ是非を含めて書かれっ放しだったので、あまり真摯ではないことの多いインタヴュー以外でのディラン自身の言葉という意味で、どこをとっても興味深く読めました。特に僕はディランの生き方云々というより、彼の音楽や、彼の音楽に垣間見られるアメリカ音楽の方により強い興味を覚えますので、ディランが少年時代に親しんできた音楽に言及している部分などはメモを取りながら読んだほどです。そういう意味では日本ではブートでしか聞けませんが、ディランが昨年からDJを務めている「テーマ・タイム・ラジオ・アワー」というアメリカのラジオ番組が各回ひとつのテーマに沿ってディラン自身の選曲と語りで構成されており、これもまたファン必聴といったところです。