永遠の少女マンガぬりえ ポーの一族
セイカの商品なので書店では注文できませんでした。
なのでアマゾンで“ポーの一族と萩尾望都作品集”の二つを購入しました。
ぬりえでおなじみのセイカということでかなり期待していたのですが、
うーん、届いてみて箱を開封してちょっとビックリ…
ぬりえの紙の薄さに驚きました。
ぬりえが入っていた封筒も薄いです。
(ポーの文庫版の一巻の絵が印刷されていますが、なんとも安っぽい)
封筒がペラペラなので出し入れが大変です。
べつに封筒に入っていなくてもいい気がします…
ぬりえを封筒から出してみると、シワのある紙が数枚入ってました。
一枚しかない気に入っていたぬりえもあったただけに、正直ガックリ。
薄すぎますよね…これ。
原画の絵の方は厚紙でしっかりしていました。
絵の選考も見慣れた絵ばかりで「もう少しあるだろう、いろいろと良いのが!」といった感じですが、それでも萩尾望都氏の絵はどれも素晴らしいです。
子供の頃、大好きだったポーの絵を、今になって塗ることができるなんて、…感動です。
いい歳の大人でも塗っていてすごく楽しかったので、全体的な評価は☆4つにしました。
塗ってみての感想は…
線が灰色の薄い線で、仕上がりがいかにもぬりえという感じじゃなく自然で良かったのですが、さすがにあの薄さじゃ水彩絵の具では塗る気はしないかな…?
額に入れて飾れるぐらいきれいに仕上がり、我ながらタッチも風合いも原画そっくり!
もったいながらずに塗ってみるのもいいのでは…?
余談ですが、竹宮恵子の「風と木の詩」あたりも是非ラインナップに入れて欲しいですね。
購入層も大人ですので、価格も少々高めですから、
「もう少しクオリティーの高い、価格以上に満足できる商品を!」
セイカさんよろしくお願いします。
文藝別冊 萩尾望都 少女マンガ界の偉大なる母
萩尾先生がデビューされてからもう40年…自分の人生と重ね合わせて
感慨を覚えるファンの方も多いことでしょう。
この「文芸別冊」は幻の作品、デビュー以前の習作、漫画家仲間の「モー様」評
(山岸涼子先生の「彼女は私が初めて出会った天才だった」という言葉が特に印象的)、
マネージャー城章子さんの証言、仕事場や愛猫たちのお写真、
2万字ロングインタビューなど、実に盛りだくさんで贅沢な内容です。
なかでもきわめつけはご家族(御両親、お姉さん、妹さん)のインタビューでしょう。
いまだかくしゃくとなさっている堂々たるご両親のお写真を拝見し、
インタビューを読んで失礼ながら「ああ、モー様の一部の作品は、
この御家族なくしてはあり得かったのかもしれない」と感じてしまいました。
御両親との葛藤は作品を生む原動力にもなられたようですが、
それを包み隠すことなくお話しになる御家族も、強い方たちだと思いました。
さらにイタリアのジョルジョ・アミトラーノ氏、アメリカのマット・ソーン氏という
異なる文化背景を持つ方々の萩尾評も実に鋭く適切であることに驚きました
(ソーン氏の寄稿にはある意味で衝撃的な記述もあります)。
萩尾作品は、日本という枠を超えた普遍性を獲得しているのかもしれません。
日本の漫画界にはかり知れない大きな影響を与えた萩尾先生。
これからもお元気で、さらに優れた作品を生み出していただきたいと願うばかりです。
そして最後に…オールド・ファンの愚かしい願いかもしれませんが、
できればユーリ、オスカー、エーリクのその後を描いていただきたい…
ポーの一族 ドラマCD(全6巻) 第4巻 「エヴァンズの遺書」、「ランプトンは語る」収録
1番目のラジオドラマCDを購入し、想像してたよりは悪くありませんでした。
でも解せないのは言葉が違っているという事。
何故なんでしょうか?「メリーベルも待っているだろうに…」が、「メリーベルも待っている…」に変わってます。その他にもちょいちょい気になる所が。
それに何故ここを省く!?という所が。
何故、漫画の通りの台詞にしないのか…残念です。
もったいない!ポーの一族の雰囲気やイメージを大事にしてる声優や効果音がもったいない!
よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり
よしながふみが、テーマに合わせて対談というよりも、フランクな座談会というか・・・。
よしながふみの作品が好きな方、作者がどういう物を読んできたのか知りたい方などにはいいと思います。
ただし、よしながふみの作品の傾向として、ボーイズラブの話題も避けられない所もあるため、よしながふみは好きでもボーイズラブなんて!!という人は心して読んでください。
#なるべくなら「それなら読まない」という選択はして欲しくない・・
雰囲気としては、仲良しが集まってワイワイ、という感じで構成されています。
評論でもありませんし、たまに会話が暴走気味の時もありますので、楽しく読めると思います。
半神 (小学館文庫)
これほど短いページ数で切実に確実に読者の心に訴える。すごい。
恵まれた家庭に生まれたシャム双生児。知能は高いが醜い姉と、ほとんどしゃべることもできない愛らしい妹。姉は知能が高いからこそ幼心に自分の醜さをよく知っており、何も分からない妹を庇ってやらなくてはならないという両親の教えを守り、いつも貧乏クジ。「私は一生こういう目にあうのか。一生妹へのほめ言葉を聞き、一生妹をかかえて歩き、妹にじゃまをされ。いっそ妹を殺したい。私の不幸はそれほど深い」。
姉妹が成長したとき、姉に与えられた選択の機会。。。数年後、幸福な人生を手に入れた少女が、ふと見出す自分の半身。その存在を自分は愛していたのかそれとも憎んでいたのか。ラストシーンはひたひたと怖いのですが、泣けました。
何度読んでも鮮烈な印象の変わらない、読み返すたびに一つ一つのセリフや絵に重みが増していく傑作。