ソフトマシーン (河出文庫)
この本は「カットアップ」「フォールドイン」という特殊な技法を用いて作られているらしい。
「カットアップ」とはそこらにある本や新聞を切って貼って新しい文章を作ることだ。「フォールドイン」は切るのすら止めて、紙を折って並べ替える手法。どこがどっちの方法で作られたかはよく判らない。
できた文章はたとえばこうだ。
「ゴーグルがかれのからだ燐光性の蛾をなめる、尻毛を通してオレンジの後光がペニスを包んでちらつく。眠りの中で、はだかのパナマの夜、カメラは青い静寂のなかで脈打ちオゾンが香り、ときには小部屋の壁が全部紫世界へと開く。内蔵と大便の動きのX線写真、かれのからだは透明な青魚。」
本文P158より引用
この文章を読んで面白いと思える人はどれだけいるだろうか。恐らくごく少数だろう。
ある人は必死になって意味を探し、それなりに結論を作るだろう。またある人は「ツマンナイ」の一言で読むのを止めるだろう。あるいは麻薬の幻覚症状に繋げて意味を見出す人もいるかもしれない。
この本はそうやって、読む人それぞれの感性、想像力や知識によって何色にでもなる。
元となる文章はバロウズが持ってきているので意図はあるのだろうが、それが伝わらなくて何の問題があるのだろう。
間違って受け取ったって何ら問題ない。楽しんだ者勝ちだ。
Soft Machine
「ソフトマシーン」は三部作の中では読みやすい方。といっても基本的にはわけがわからない。むちゃくちゃな文章の中に、時々、いやにカッコイイフレーズが飛び出したりするので、つい最後まで追ってしまう。
Softs
カール・ジェイキンスがグループ内イニシアティヴをとるようになってから急速に「フュージョン化」を果たしていったカンタベリー系の雄Soft Machine。第9作目にあたる本作品では、元「WOLF」の英国出身ギタリスト、John Etheridge(ジョン・エサーリッジ)を迎えています。1976年リリース。前作「Bundles」では正式加入としては初ギタリストAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)を迎え入れ素晴らしい作品に仕上がりましたが、前任者Holdsworthとはタイプこそ違えど、これまた超絶技巧の限りを尽くしたギタープレイを堪能できます。
前作「Bundles」と同様に1990年に一度CD化されたものの、廃盤状態でけっこうなプレミアで中古品が取引されていましたが、このたび「Bundles」に続いてリマスター化のうえ20年ぶりに再発売です。「Bundles」と同様、Esotericというメーカーから。さて、注目のリマスター効果ですが音の分離が明らかに向上し、抜群にクリアな仕上がりに。音圧も改善されているので大変聴きやすくなりました。最近流行り(?)の「いままで聴こえなかった音まで聴こえる」ほどではありませんが、大変良質なリマスターではないでしょうか。
作品の内容についてはオリジナル盤で多くの方がレビューを寄せていますので割愛しますが、70年代ジャズロックを語るうえで、やはり欠くことのできない重要作品であることは間違いありません。特にほとんどの音をフルピッキングで弾きこなすEtheridgeのギタープレーはいまの水準で考えても驚異的と言えます。特に「The Tale of Taliesin」から「Ban-Ban Caliban」への見事なメドレーとエサーリッジが生みだす溜め息が出るような速射砲的なソロは、あらためてリマスター盤を聴き直してもゾクゾクとしてきます。
古くからのソフツファンにとっては買い直しは当然のことですが、良質なジャズロック&フュージョンに興味がある人、ギター好きの人にとってもマストアイテムではないでしょうか。そして、再発売に踏み切ったメーカーさんには感謝の言葉が見つかりません。さらにうれしいお知らせが。Soft Machineのラインアップの中で廃盤扱いの「Alive & Well ; Recorded in Paris」 なども順次リイシューされるとのこと。ますます目が離せません。
●Musicians
Roy Babbington / bass
John Etheridge / guitar
John Marshall / drums
Alan Wakeman / soprano & tenor sax
Karl Jenkins / piano,string,mini-moog synthesizers
Soft Machine (Paladin Books)
「ソフトマシーン」は三部作の中では読みやすい方。といっても基本的にはわけがわからない。むちゃくちゃな文章の中に、時々、いやにカッコイイフレーズが飛び出したりするので、つい最後まで追ってしまう。
ソフト・マシーン・レガシー ザ・パリ・コンサート [DVD]
まず最初にこのDVDは、ラリーカールトンとスティーヴルカサーの共演です・・・バックのメンバーは、ゲイリーファーガソン(Dr)・クリスケント(B)・リックジャクソン(Key)。2001年7月NEW MORNING(パリ)というライブハウスで収録・・・とてもこじんまりしたライブ映像です(笑)。終始ラリーとスティーヴが、楽しく演奏している事がよくわかる内容です・・・夜にアルコール消毒しながら観るには、丁度良い仕上がりだな(笑)。全7曲約1時間半なので、1曲がたるく感じるのが正直なところ(笑)・・・1番楽しみにしていた「ROOM335」は短くて、あっさり終わったりするのがこれまた残念!!1曲目はJEFF BECK「ゼアアンドバック」収録曲で、ジャムセッションにはうってつけ・・・3曲目ジミヘンドリックス「レッドハウス」もこれまたジャムにうってつけ、なんとなく内容がわかりますね(笑)。スティーヴは当然バリバリ弾きまくるけど、ラリーのフレーズがでてくるとやっぱりその格の違いがよくわかりますね(私はスティーヴ大好きですよ!!)。映像として残っているのは本当ありがたいですが、ラリー・スティーヴファンとも煮え切らないDVDかも知れません(笑)。