善徳女王 DVD-BOX I (ノーカット完全版)
「チュモン」「風の国」につながる作風の新作ですが、
ほぼ初めてと言える、新羅を舞台にしたお話。
この時代は中国で言うと隋ころにあたり、日本でも
正確な記録はなかなか残されていない頃。新羅でも
同様な部分はあると言えるが、系図や史実とは微妙に
事なった説を取っている可能性はあるとはいえ
(トンマンとチョンミョンの双子関係やその他血縁関係などは異論の余地はあるだろう)
返って独創性の素晴らしさとして受け止めることができる。
数々の韓国ドラマを見てきたが、これが最高と言える。
お金の掛け方が違うし、キャストは全員素晴らしい(演技力)。
トンマンの子役をやっていた女の子も若いのに大変素晴らしい
印象を残した。今後活躍してほしい。
王妃や王は、役者は変わって欲しくはなかったが、1,2話だけでも
非常に降板がおしまれるほどの好演を見せた
(日本などでは、メイクで変化させるはずだが大胆にキャスティングを変えた。)
ちなみにこの代わった国王夫妻、「宮」でも国王夫妻だったし、「美賊イルジメ伝」でも
実は日本に主人公が流された時のなんちゃって日本人家庭の、夫婦はこの二人だった(笑
理由は分からないが、何かと縁があるようですね。
ミシルの存在感は他の方々が口をそろえて絶賛されているとおり。眉毛だけでなく、
目力も十分。貫禄と言っていいその存在感で強烈な印象を残す。
ただ、他のキャストは大抵入れ替わって年齢を重ねているのに、
ミシルだけキャストもルックスもまったく変わっていないのもまた不思議だが…そこは御愛嬌か。
天国の階段 オリジナルサウンドトラック
ドラマの中のAve Mariaが印象的で他の曲も聞きたくなって買いました。が、本当に期待以上です。スパニッシュギターの響きが切なくて、それに被さるハスキーな声が届かぬ思いを歌い上げる…ドラマを越えたCDといえるかも知れません。
謹訳 源氏物語 一
12/13にみなとみらいホールで開催された「冨田勲源氏芸術祭2011」。
第一部が富田氏の作曲集大成「源氏物語幻想交響絵巻」をオルガン演奏と人形舞で構築した芸術舞台。第二部が林さんの講演会『今を生きる〜そして源氏物語』でした。
観客の目当ては第一部の演奏会。二部になると帰ってしまう人も多かったのですが、これを聴いてよかったですよ!帰っちゃった人は大損です。
林さん自慢のバリトンボイスと巧みな話術で語られる目ウロコの源氏物語の真実。
まず源氏物語は決して日本のベストセラーであり続けたわけではないという話。江戸後期まで限定されて人々にのみ知られた読み聞かせ中心の物語だったのです。江戸の刷り物となってもあまりの高価さに刷りは一版のみで全巻セットで現在の100万円オーバー。でも平安から限られた人々の楽しみとして創作された読み聞かせ作品が多数ある中で、生き残ってきたのはそれだけの価値があったからであるのですね。
次に内容は雅なファンタジーものと思われがちですが、人の心の様々な動きを捉えた人間ドラマであるということ。登場人物には悪人はおらず、近世以降の勧善懲悪のようなありえないものではなく、善人の心がねたみや嫉妬に揺れてしまう仕方のない人間くささを描いているというものです。だから時代を超えて愛される稀代のラブストーリーなのですね。
そしてこれは面白いですよ。数ある古文の表現の解説。これが古文嫌いを起こす原因でもある言葉の意味。ひとつご紹介すると、なまめかしという言葉。古文辞典では「優雅だ」と訳してあります。林さんはもっと深く説明してくれました。
これは「なまのままだ」というもので、それは衣服や装束を取り去っても、そのままで気品のある姿だ…つまり生のそのままで素晴らしいという意味なのだそうです。現在、なまめかしいというとセクシーだとか色っぽいと言う意味ですが、林さん曰く、「ナマ足ってなまで魅力のある存在だからだと思うとなまめかしですね」…納得。講演では労たし、うつくしなど数々ある美しいと言う意味の表現のバリエーションについての説明をしていただきました。
このような現代の私たちが納得できる謹訳でかかれた源氏物語。人間ドラマの最高峰である作品として味わえます。林先生に感謝!!!
最後に。読み聞かせの文学源氏物語ですから、声に出して読むのが良いようです。できれば愛しい人に読んでもらって聴きたいですよね。
善徳女王 オリジナル・サウンドトラック
ドラマを観て一度でもこの曲聴いてみたいなと思ったら買うことをオススメします
ミシルのテーマや白山一花等素敵な曲が沢山あります
歌詞の隣に日本語訳がしてあったり、人物紹介等(ネタバレの部分有り)も楽しめました